フィスコニュース


泉州電業 Research Memo(3):オリジナル商品で差別化を図り、3年連続で最高益を更新(2)

*16:13JST 泉州電業 Research Memo(3):オリジナル商品で差別化を図り、3年連続で最高益を更新(2)
■会社概要

(5) 特色、強み
泉州電業<9824>は多くの種類の機器用・通信用電線を手掛けているが、なかでも自動車業界及びエレクトロニクス業界における工場の生産ラインで用いられる電線を主力としており、これは同社の特色だ。それらはFA機器及び工作機械をつなぐケーブル、これら機器内に組み込まれる電線などである。このため同社の業績は、国内における自動車・エレクトロニクス業界を中心とした製造業の設備投資動向と相関性が高くなっている。

また同社は、この機器用・通信用電線において他社との差別化を図っている。具体的には、営業が集めてきた顧客ニーズを基にオリジナル商品を独自で、またはメーカーと共同で開発し、単なる仕入販売商社ではない付加価値商品の販売を行っている。同社は加工品の拠点を顧客の近隣に展開しているが、このロケーション戦略によって顧客との接触を密にし、新製品及び生産ラインの設計段階からの情報を入手して商品開発に生かしている。こうしたオリジナル商品の特徴は、「耐久性、耐環境性(温度変化、防油、防水等)、ノイズ対策」など、顧客の多様なニーズに応えられる点である。一方でオリジナル商品に関しては在庫リスクを同社が抱えるため、粗利益率も高く設定されている。機器用・通信用電線の中でこうしたオリジナル商品の売上構成比は約3分の1程度を占めており、これも同社の強みと言える。

同社はオリジナル商品の開発で顧客との強い関係を築き上げているほか、多品種少量受注にも対応できるデリバリー体制を構築していること及び、商品ラインナップにおいて中小メーカーの特殊ケーブルなども揃えることができるといったメーカー系列にはない強みを持っている。これらのことから、同社は、今後も独立系商社のトップ企業として成長を続けていくことは十分に可能であると弊社では見ている。

(6) 銅価格の影響
同社の業績に影響を与える大きな要素として「銅価格」が挙げられる。同社が扱っている電線類の主原材料は銅であるため、電線価格(仕入・販売)は国際商品市場での銅価格にスライドする。そのため、銅価格の動きによって売上高は大きく変動するが、仕入価格も販売価格と同様に変動していくためマージンは変わらない。ただし、同社は在庫評価方法に「移動平均法」を採用していることから、銅価格が上昇する局面ではそれまでの低い原価が計上されるため利益が先に出る傾向があり、反対に下降局面ではそれまでの高い原価が計上されるため利益が少なくなる傾向がある。長期的に見ればこれらは平均化されるため、銅価格の利益への影響は微少であると言える。

一方で販売価格に関しては、銅価格の影響だけでなく競争による影響もある。特に電力用ケーブルでその傾向が強く、電力用ケーブルの粗利益率は同社商品の中でも低い水準である。ただし、電力用ケーブルに関しては顧客となる電材販売業者約1,100社が扱っており、品揃えとして欠かせない商品であることも事実である。また、もう1つの柱である機器用・通信用電線は設備投資動向への依存度が大きく、好不調の波が激しいこともあって、経営の安定性(リスク分散)という意味でも電力用ケーブルは同社にとって不可欠の商材である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




<HN>



 
【重要】株予報/株予報Proを装った偽サイト、偽アカウント、偽広告にご注意ください

株予報/株予報Pro等の当社サービスを装ったり、当社の名を騙った偽サイト、偽アカウント、偽広告が確認されております。

偽サイト及び偽アカウントは、不正サイトへの誘導、個人情報の取得及び悪用、投資詐欺に遭う可能性がございますのでアクセスされないようにご注意ください。

当社では投資勧誘は行っておりません。LINEなどのSNSを利用した投資詐欺にご注意ください。

株予報 トレンドシグナル ®

2025/02/20 15:30 現在

(更新タイミング:翌営業日8時頃)

買い   1,423 銘柄
1,668 銘柄   売り
 
 
 
7974 任天堂 売り転換
9984 ソフトバンクG 売り転換
8035 東京エレクトロン 売り転換
9433 KDDI 売り転換
7741 HOYA 売り転換



 
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社アイフィスジャパンは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社アイフィスジャパン及び情報提供者に帰属します。 TOPIX及び東証業種別株価指数の指数値及びそれらに係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社の知的財産です。 本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。
IFIS