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GameWith Research Memo(10):メディア、eスポーツ・エンタメ、新規事業で安定収益を狙う(2)

*14:10JST GameWith Research Memo(10):メディア、eスポーツ・エンタメ、新規事業で安定収益を狙う(2)
■GameWith<6552>の今後の見通し

(2) eスポーツ・エンタメ
eスポーツ・エンタメにおいては、政府によるeスポーツの強化支援、五輪採用に向けた検討が進むなど、競技シーンは今後大きく盛り上がる可能性があり、同社は日本を代表するeスポーツチームとして認知度の向上、チームの価値強化、さらなるファンの獲得などを進める方針である。2023年6月にシンガポールで国際オリンピック委員会主催のオリンピック・eスポーツシリーズが開催されたほか、9月に開催されたアジア競技大会ではeスポーツが正式種目として採用されるなど市場動向が注目されている。同社によれば、2021年に9,868百万円だった国内eスポーツ市場規模は、2023年に16,219百万円、2025年に21,781百万円へと成長する見通しである。世界にはさらなる大きな市場があり、同社では国内だけでなく世界で戦うチームとして、世界大会への出場や韓国拠点の設立、アジアリーグへの参加などを実現している。そして、同社の弱みとなっているインフルエンサービジネスの強化のため、ストリーマーを積極的に獲得することでブランディングの強化、さらには将来的な動画配信収益及びグッズ販売などを増加させることで、大会賞金やスポンサー収入などだけでない安定した収益源の獲得を目指す。大手VTuber事務所でもファンによるグッズ販売からの利益貢献が全社業績に占める割合が高く、同社においてもインフルエンサービジネスを新たな安定した収益源へ育成できるかに注目したい。

(3) 新規事業
新規事業についても、NFTゲーム事業、回線事業ともに成長が期待される。NFTゲーム市場においては、今後、大手ゲーム企業の参入が見込まれ、NFTゲームのクオリティがWeb2ゲームレベルに向上すれば、ゲームプレイ人口も爆発的に増加する可能性を秘めている。今後も様々なNFTゲームが市場に投入されることを考えると、同社においても既存の「EGGRYPTO」における次期タイトル「EGGRYPTO X」において新規ユーザー数拡大やARPU上昇を進めると同時に、新たなNFTタイトルである「AIM NOVA」の投入も2026年5月期に計画されている。また、回線事業については、ユーザーの獲得が着実に将来の利益へつながる構図のため、1ユーザー当たりの顧客獲得コスト最小化と、新規契約後の解約率をいかに低減できるかが重要となるだろう。同社は今後、回線事業においてユーザー数を大きく増やすために引き続きプロモーション施策や先行投資を積極的に進める構えだ。短期的な収益環境には向かい風かもしれないが、中期経営計画後半の2027年5月期からは営業利益ベースでも黒字化する見通しである。規律あるプロモーション費用を維持し、早期に獲得したユーザーの黒字化を予定どおり進め、解約率を低位に留めることができるかが注目される。


アプリ外課金事業の共同推進に向けた戦略的パートナーシップを構築

3. 最新のトピック
同社は2024年9月25日に(株)デジタルガレージとのアプリ外課金事業の共同推進に向けた戦略的パートナーシップの合意について発表した。国内モバイルゲーム市場は成長が鈍化傾向ではあるものの、その市場規模は約1.2兆円と大きい。課金方法は依然としてApp StoreやGoogle Playなどアプリ経由での決済が主流だが、アプリ経由での決済の場合、ユーザーはプラットフォーマーであるAppleやGoogleに対して実質的に約30%の決済手数料を支払っていることになる。今回のパートナーシップ構築では、国内最大級のメディアを運営する同社のゲーマーへのリーチ等の強みを活かし、同社が運営するメディア経由でのアプリ外課金を可能にすることでゲーム会社から決済額に対して手数料を徴収し、デジタルガレージとレベニューシェアをするのが大枠と見られる。具体的なシミュレーションとしては、仮に手数料率をデジタルガレージが提供する現行のサービスと同等の5%とし、アプリゲームの市場規模を約1.2兆円、そのうち同社経由でのアプリ外決済がシェア5%で600億円の決済額まで成長した場合、5%の手数料は30億円、デジタルガレージと折半することを前提に、同社の売上寄与は15億円と試算される。早ければ、2024年内に具体的なサービスのリリース、2025年から売上貢献が始まることが想定されるが、今後、どの程度ゲーム会社での導入が進むか、また、それに合わせて、実際に導入が始まった場合、アプリ外決済をどの程度ユーザーに利用してもらえるかが肝となる。アプリ外決済を利用することでユーザー、ゲーム会社、同社の3者がメリットを享受できるため、認知度をいかにして向上させるかが早期普及拡大のカギと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)



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