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SOLIZE Research Memo(8):従来領域と新規領域の掛け合わせにより成長を加速(1)
2024/10/21 11:08
*11:08JST SOLIZE Research Memo(8):従来領域と新規領域の掛け合わせにより成長を加速(1)
■SOLIZE<5871>の中長期の成長戦略
1. 中長期的な成長の加速
同社グループでは、しっかりとした顧客基盤を持つ従来領域に加え、そこで得た収益を2020年以降に立ち上げた新規領域と組み合わせることで、成長の確度を上げていく計画だ。従来領域は、デザイン&シミュレーション、デジタルものづくり(試作)、3Dプリンター装置導入、変革コンサルティング等である。また、新規領域は、ソフトウェア&シミュレーション、デジタルリスク、デジタルものづくり(量産)、SaaSプロダクト等であり、ニーズが高く、成長性が高い領域である。顧客からの事業領域を広げてほしいとの要望に応えて、提供の幅を拡大している。
同社グループでは、売上高の拡大を最優先に考えており、現在は先行して採用やM&Aなどにコストをかけている。売上高を2024年12月期予想の227億円から、できるだけ早期に300〜500億円規模に拡大したいとの考えだ。売上規模の拡大に伴って、各段階の利益も増加させる見通しである。2010年代は投資が少なく、新たな事業の芽が出難かったが、2020年代は投資や研究開発を積極化、利益率8〜9%台が3〜4%台まで低下している。ただ、これが競争力を支えたということもあり、研究開発負担が相対的に低下する売上高規模を目指す。
今後の成長を加速するために、以下のことを計画している。
2. 採用の強化
従来領域における売上高・売上総利益の推移を見ると、従来領域は、顧客から高い信頼を得ており、順調に推移している。2021年以降、売上高は毎年2ケタ以上成長し、売上総利益率も改善している。したがって、稼ぐ力は伸びていると言える。
その源泉となっているのが、採用者数の増加である。同社では、デザイン事業の売上高・売上総利益が大半を占めており、デザイン事業のエンジニア数が業績に直結している。そのため、経験者採用及び2026年4月入社までの新卒採用の採用者数増大を目指し、新たな応募チャネルの開発等を進め、応募数増加を図る計画だ。2020年以降、様々な施策を打つことで、採用数を押し上げてきた。2024年は中間期段階で200名を超えており、通期では2023年の採用数を超える見通しだ。同社では、元々は新卒採用に力を入れていたが、コロナ禍収束後に自動車メーカーにおいて自動車の内・外装部門などで人手不足の状況になり、同社に丸ごと請け負ってほしいとの要望が増えたことから、即戦力となる経験者の採用を増やしている。
3. 新規領域の拡大
同社グループでは、中長期の計画の実施により、ビジネスモデルの拡張、すなわち人工※によらないビジネスモデル成長を加速させる考えだ。
※ 「にんく」と読み、1人の社員が1日にできる作業量のこと。
領域の拡張としては、組み込み系、第三者検証支援などのソフトウェア事業がある。近年、注目を浴びているサイバーセキュリティ領域のデジタルリスク事業も、現在は一定のビジネスとしての規模に達している。さらにビジネスモデルの拡張では、昨年、「LEXUS」に初めて採用された少量量産部品など、3Dプリンターによる量産の領域がある。「LEXUS」はトヨタ自動車の最上位ブランドで、国内で初めて純正オプションパーツとして3Dプリンティングによる少量量産の部品を供給している。
同社では、さらなる事業成長のためには、迅速な経営判断のもと、企業ブランディング、顧客基盤の構築、技術追求等を行っていくことが極めて重要であるとの判断から、ソフトウェア事業の分社化を決定した。(株)STELAQを立ち上げ、2025年1月1日より業務開始の予定だ。企業ブランディング等をソフトウェアに合わせて展開することで、成長をより加速できると考えている。ソフトウェア事業は2021年頃から開始した新しい事業で、自動車開発での需要が大きい。ただ、同事業は従来のSOLIZEのイメージとは異なるためソフトウェア系の採用に苦労をしていたことから、分社化に踏み切った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HN>
■SOLIZE<5871>の中長期の成長戦略
1. 中長期的な成長の加速
同社グループでは、しっかりとした顧客基盤を持つ従来領域に加え、そこで得た収益を2020年以降に立ち上げた新規領域と組み合わせることで、成長の確度を上げていく計画だ。従来領域は、デザイン&シミュレーション、デジタルものづくり(試作)、3Dプリンター装置導入、変革コンサルティング等である。また、新規領域は、ソフトウェア&シミュレーション、デジタルリスク、デジタルものづくり(量産)、SaaSプロダクト等であり、ニーズが高く、成長性が高い領域である。顧客からの事業領域を広げてほしいとの要望に応えて、提供の幅を拡大している。
同社グループでは、売上高の拡大を最優先に考えており、現在は先行して採用やM&Aなどにコストをかけている。売上高を2024年12月期予想の227億円から、できるだけ早期に300〜500億円規模に拡大したいとの考えだ。売上規模の拡大に伴って、各段階の利益も増加させる見通しである。2010年代は投資が少なく、新たな事業の芽が出難かったが、2020年代は投資や研究開発を積極化、利益率8〜9%台が3〜4%台まで低下している。ただ、これが競争力を支えたということもあり、研究開発負担が相対的に低下する売上高規模を目指す。
今後の成長を加速するために、以下のことを計画している。
2. 採用の強化
従来領域における売上高・売上総利益の推移を見ると、従来領域は、顧客から高い信頼を得ており、順調に推移している。2021年以降、売上高は毎年2ケタ以上成長し、売上総利益率も改善している。したがって、稼ぐ力は伸びていると言える。
その源泉となっているのが、採用者数の増加である。同社では、デザイン事業の売上高・売上総利益が大半を占めており、デザイン事業のエンジニア数が業績に直結している。そのため、経験者採用及び2026年4月入社までの新卒採用の採用者数増大を目指し、新たな応募チャネルの開発等を進め、応募数増加を図る計画だ。2020年以降、様々な施策を打つことで、採用数を押し上げてきた。2024年は中間期段階で200名を超えており、通期では2023年の採用数を超える見通しだ。同社では、元々は新卒採用に力を入れていたが、コロナ禍収束後に自動車メーカーにおいて自動車の内・外装部門などで人手不足の状況になり、同社に丸ごと請け負ってほしいとの要望が増えたことから、即戦力となる経験者の採用を増やしている。
3. 新規領域の拡大
同社グループでは、中長期の計画の実施により、ビジネスモデルの拡張、すなわち人工※によらないビジネスモデル成長を加速させる考えだ。
※ 「にんく」と読み、1人の社員が1日にできる作業量のこと。
領域の拡張としては、組み込み系、第三者検証支援などのソフトウェア事業がある。近年、注目を浴びているサイバーセキュリティ領域のデジタルリスク事業も、現在は一定のビジネスとしての規模に達している。さらにビジネスモデルの拡張では、昨年、「LEXUS」に初めて採用された少量量産部品など、3Dプリンターによる量産の領域がある。「LEXUS」はトヨタ自動車の最上位ブランドで、国内で初めて純正オプションパーツとして3Dプリンティングによる少量量産の部品を供給している。
同社では、さらなる事業成長のためには、迅速な経営判断のもと、企業ブランディング、顧客基盤の構築、技術追求等を行っていくことが極めて重要であるとの判断から、ソフトウェア事業の分社化を決定した。(株)STELAQを立ち上げ、2025年1月1日より業務開始の予定だ。企業ブランディング等をソフトウェアに合わせて展開することで、成長をより加速できると考えている。ソフトウェア事業は2021年頃から開始した新しい事業で、自動車開発での需要が大きい。ただ、同事業は従来のSOLIZEのイメージとは異なるためソフトウェア系の採用に苦労をしていたことから、分社化に踏み切った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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