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サイバリンクス Research Memo(10):減価償却負担が続くが、中期経営計画の数値目標は変えず
2024/10/04 13:10
*13:10JST サイバリンクス Research Memo(10):減価償却負担が続くが、中期経営計画の数値目標は変えず
■中期経営計画
サイバーリンクス<3683>は2021年12月期を初年度、2025年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表したが、成長スピードの加速により2期目となる2022年12月期に売上高目標を2期前倒しで達成、経常利益は計画を上回るペースで成長するなどおおむね順調に進捗した。一方で、外部環境やM&Aなどによる内部環境の変化も起きていたことなどを踏まえて、中期経営計画を見直した。基本方針及び重点戦略に変更はないものの、好調な業績を受けて2023年2月に数値目標を上方修正した。
記述のように2024年12月期第2四半期の業績は期初計画を上回ったが、現時点で中期経営計画の目標値に変更はない。
(1) 基本方針と重点戦略
基本方針は『「トランスフォーメーション2025」~業界、顧客企業とともに、DXで生産性向上~』を掲げている。また、各事業における重点戦略としては、流通クラウド事業では「企業間連携プラットフォームの立上げにより業界DXを実現」させること、官公庁クラウド事業では「大きく進展するデジタル化を、地方自治体の立場に立ってサポート」すること、トラスト事業では「マイナンバーカードベースのサービスを中核に『人、物、コト』全方位に展開」すること、モバイルネットワーク事業では「激変する競争環境で、地域シェアの確立とリアル店舗の価値拡大」を目指す。
(2) 数値目標
見直し後の数値目標としては、最終年度の2025年12月期に売上高170億円(2020年12月期比33.8%増)、経常利益16.8億円(同77.0%増)、経常利益率9.8%(同2.4ポイント上昇)、定常収入95億円(同49.3%増)、同比率56.1%(同5.8ポイント上昇)、ROE13%以上としている。既述のように、2024年12月期も償却負担増が続くが、現時点において中期経営計画の目標は変わっていない。
減価償却費は、2022年12月期の530百万円から2025年12月期には1,080百万円(取材に基づく弊社推定)と大きく増加する見込みだ。流通クラウド事業では、2026年12月期以降に予定していた中大規模顧客向け「@rms基幹」のバージョンアップに向けた取り組みを前倒しで進め、中期経営計画期間中のソフトウェア償却費を増額した。官公庁クラウド事業では、2022年に実施したシナジー買収に伴うソフトウェア償却費が年間約70百万円(2025年12月期まで)、のれん償却費が年間約165百万円(2027年12月期まで)発生している。モバイルネットワーク事業では、2022年に買収した2社ののれん償却費が発生したが、2023年12月期中に減損処理された。経常利益の数値目標は見直し前から0.8億円増の16.8億円と、見かけ上は大きな修正には見えない。しかし、実際は減価償却費の大幅増を吸収しての目標値であり注目に値する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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■中期経営計画
サイバーリンクス<3683>は2021年12月期を初年度、2025年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表したが、成長スピードの加速により2期目となる2022年12月期に売上高目標を2期前倒しで達成、経常利益は計画を上回るペースで成長するなどおおむね順調に進捗した。一方で、外部環境やM&Aなどによる内部環境の変化も起きていたことなどを踏まえて、中期経営計画を見直した。基本方針及び重点戦略に変更はないものの、好調な業績を受けて2023年2月に数値目標を上方修正した。
記述のように2024年12月期第2四半期の業績は期初計画を上回ったが、現時点で中期経営計画の目標値に変更はない。
(1) 基本方針と重点戦略
基本方針は『「トランスフォーメーション2025」~業界、顧客企業とともに、DXで生産性向上~』を掲げている。また、各事業における重点戦略としては、流通クラウド事業では「企業間連携プラットフォームの立上げにより業界DXを実現」させること、官公庁クラウド事業では「大きく進展するデジタル化を、地方自治体の立場に立ってサポート」すること、トラスト事業では「マイナンバーカードベースのサービスを中核に『人、物、コト』全方位に展開」すること、モバイルネットワーク事業では「激変する競争環境で、地域シェアの確立とリアル店舗の価値拡大」を目指す。
(2) 数値目標
見直し後の数値目標としては、最終年度の2025年12月期に売上高170億円(2020年12月期比33.8%増)、経常利益16.8億円(同77.0%増)、経常利益率9.8%(同2.4ポイント上昇)、定常収入95億円(同49.3%増)、同比率56.1%(同5.8ポイント上昇)、ROE13%以上としている。既述のように、2024年12月期も償却負担増が続くが、現時点において中期経営計画の目標は変わっていない。
減価償却費は、2022年12月期の530百万円から2025年12月期には1,080百万円(取材に基づく弊社推定)と大きく増加する見込みだ。流通クラウド事業では、2026年12月期以降に予定していた中大規模顧客向け「@rms基幹」のバージョンアップに向けた取り組みを前倒しで進め、中期経営計画期間中のソフトウェア償却費を増額した。官公庁クラウド事業では、2022年に実施したシナジー買収に伴うソフトウェア償却費が年間約70百万円(2025年12月期まで)、のれん償却費が年間約165百万円(2027年12月期まで)発生している。モバイルネットワーク事業では、2022年に買収した2社ののれん償却費が発生したが、2023年12月期中に減損処理された。経常利益の数値目標は見直し前から0.8億円増の16.8億円と、見かけ上は大きな修正には見えない。しかし、実際は減価償却費の大幅増を吸収しての目標値であり注目に値する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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