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昭和産業 Research Memo(1):2025年3月期第1四半期は減収ながら利益面は引き続き好調
2024/10/02 16:31
*16:31JST 昭和産業 Research Memo(1):2025年3月期第1四半期は減収ながら利益面は引き続き好調
■業績動向
1. 2025年3月期第1四半期の業績
昭和産業<2004>の2025年3月期第1四半期の連結業績は、売上高85,929百万円(前年同期比4.3%減)、営業利益4,118百万円(同24.3%増)、経常利益5,191百万円(同28.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,322百万円(同91.2%増)で着地した。2025年3月期業績予想に対する進捗率は、売上高24.8%、営業利益34.3%、経常利益39.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益48.3%となり、売上面は堅調で、利益面は前期からの好調を持続した。同社を取り巻く事業環境として、インバウンド需要の高まり等により、外食や飲料向けの需要が回復基調にあるものの、円安基調の下でのエネルギーコストの高止まりや物流コストの上昇もあり、押し並べて厳しい状況にあった。同社は、前期から導入した顧客別営業組織によるターゲット業態ごとの提案営業に引き続き取り組んだほか、コストを踏まえた適正価格での販売を推進した。一方で、原材料となる穀物相場の下落に伴い、輸入小麦の政府売渡価格が引き下げられる(平均0.6%)等の影響を受け、販売価格を見直した結果、前年同期比で減収となった。利益面では、各カテゴリでの適正価格での販売、前期から取り組む生産性向上策や原価低減策が寄与した。
2. セグメント別業績
(1) 食品事業
食品事業の売上高は71,315百万円(前年同期比3.2%減)、セグメント利益は3,971百万円(同18.4%増)となった。インバウンド需要の回復等を受け、外食や飲料用途向けの需要が回復して拡大を続けており、売上・利益両面の好調さを後押しした。売上高はわずかに減収となったが、主因は、原料穀物価格の落ち着きに伴い、輸入小麦の政府売渡価格が引き下げられたことを受け販売価格を改定したことであり、各カテゴリとも販売数量においては堅調に推移した。
製粉カテゴリの売上高は27,325百万円(同3.0%減)となった。2024年4月の輸入小麦の政府売渡価格の引き下げを受けて小麦粉製品の価格改定を実施した。販売数量は小麦粉が前年同期を下回ったが、プレミックスは前年同期並み、パスタについては外食市場を中心に好調な売れ行きを見せて前年同期を上回った。家庭用の販売数量については、小麦粉及びプレミックスは前年同期を下回ったが、パスタは前年同期を上回った。
製油カテゴリの売上高は25,024百万円(同2.5%減)となった。コストを踏まえた適正価格での販売に加えて、機能的な高付加価値商品(長寿命オイルや油染みの少ないベーカリー用オイル等)の提案や、課題解決型営業に取り組んだ。販売数量については業務用油脂が需要回復と好機を捉えた販売施策により前年同期を上回り、家庭用油脂も汎用油やこめ油の販売増により前年同期を上回った。
糖質カテゴリの売上高は17,343百万円(同3.9%減)となった。グループ会社との連携を図り、原価に見合った適正価格での販売活動に取り組んだ。販売数量については、飲料用途の需要増や、低分解水あめや粉あめ等の独自性のある商品群の拡販に注力し、糖化品は前年同期を上回り、コーンスターチもビール用途等の需要増加により前年同期を上回った。一方、加工でん粉については前年同期を下回った。
(2) 飼料事業
飼料事業の売上高は13,444百万円(同10.2%減)、セグメント利益は112百万円(前年同期は営業損失7百万円)となった。2022年10月に感染が確認された鳥インフルエンザの発生農場における採卵鶏導入が進み、鶏卵生産が回復したこともあって、配合飼料や鶏卵の販売数量が前年同期を上回った。一方で、配合飼料の平均販売価格が原料価格の下落に伴って前年を下回ったことや、需給の緩和によって鶏卵の相場が落ち着いたことから販売価格が低下し、減収につながった。
(3) その他
その他の売上高は1,169百万円(同0.3%増)、営業利益は385百万円(同27.2%増)となった。倉庫業は、貨物獲得競争が激化するなか、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努めた結果、貨物取扱量が前年同期を上回った。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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■業績動向
1. 2025年3月期第1四半期の業績
昭和産業<2004>の2025年3月期第1四半期の連結業績は、売上高85,929百万円(前年同期比4.3%減)、営業利益4,118百万円(同24.3%増)、経常利益5,191百万円(同28.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,322百万円(同91.2%増)で着地した。2025年3月期業績予想に対する進捗率は、売上高24.8%、営業利益34.3%、経常利益39.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益48.3%となり、売上面は堅調で、利益面は前期からの好調を持続した。同社を取り巻く事業環境として、インバウンド需要の高まり等により、外食や飲料向けの需要が回復基調にあるものの、円安基調の下でのエネルギーコストの高止まりや物流コストの上昇もあり、押し並べて厳しい状況にあった。同社は、前期から導入した顧客別営業組織によるターゲット業態ごとの提案営業に引き続き取り組んだほか、コストを踏まえた適正価格での販売を推進した。一方で、原材料となる穀物相場の下落に伴い、輸入小麦の政府売渡価格が引き下げられる(平均0.6%)等の影響を受け、販売価格を見直した結果、前年同期比で減収となった。利益面では、各カテゴリでの適正価格での販売、前期から取り組む生産性向上策や原価低減策が寄与した。
2. セグメント別業績
(1) 食品事業
食品事業の売上高は71,315百万円(前年同期比3.2%減)、セグメント利益は3,971百万円(同18.4%増)となった。インバウンド需要の回復等を受け、外食や飲料用途向けの需要が回復して拡大を続けており、売上・利益両面の好調さを後押しした。売上高はわずかに減収となったが、主因は、原料穀物価格の落ち着きに伴い、輸入小麦の政府売渡価格が引き下げられたことを受け販売価格を改定したことであり、各カテゴリとも販売数量においては堅調に推移した。
製粉カテゴリの売上高は27,325百万円(同3.0%減)となった。2024年4月の輸入小麦の政府売渡価格の引き下げを受けて小麦粉製品の価格改定を実施した。販売数量は小麦粉が前年同期を下回ったが、プレミックスは前年同期並み、パスタについては外食市場を中心に好調な売れ行きを見せて前年同期を上回った。家庭用の販売数量については、小麦粉及びプレミックスは前年同期を下回ったが、パスタは前年同期を上回った。
製油カテゴリの売上高は25,024百万円(同2.5%減)となった。コストを踏まえた適正価格での販売に加えて、機能的な高付加価値商品(長寿命オイルや油染みの少ないベーカリー用オイル等)の提案や、課題解決型営業に取り組んだ。販売数量については業務用油脂が需要回復と好機を捉えた販売施策により前年同期を上回り、家庭用油脂も汎用油やこめ油の販売増により前年同期を上回った。
糖質カテゴリの売上高は17,343百万円(同3.9%減)となった。グループ会社との連携を図り、原価に見合った適正価格での販売活動に取り組んだ。販売数量については、飲料用途の需要増や、低分解水あめや粉あめ等の独自性のある商品群の拡販に注力し、糖化品は前年同期を上回り、コーンスターチもビール用途等の需要増加により前年同期を上回った。一方、加工でん粉については前年同期を下回った。
(2) 飼料事業
飼料事業の売上高は13,444百万円(同10.2%減)、セグメント利益は112百万円(前年同期は営業損失7百万円)となった。2022年10月に感染が確認された鳥インフルエンザの発生農場における採卵鶏導入が進み、鶏卵生産が回復したこともあって、配合飼料や鶏卵の販売数量が前年同期を上回った。一方で、配合飼料の平均販売価格が原料価格の下落に伴って前年を下回ったことや、需給の緩和によって鶏卵の相場が落ち着いたことから販売価格が低下し、減収につながった。
(3) その他
その他の売上高は1,169百万円(同0.3%増)、営業利益は385百万円(同27.2%増)となった。倉庫業は、貨物獲得競争が激化するなか、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努めた結果、貨物取扱量が前年同期を上回った。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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