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メディアS Research Memo(8):日本リビング保証と経営統合し、新たな成長を目指す(1)
2024/09/24 16:38
*16:38JST メディアS Research Memo(8):日本リビング保証と経営統合し、新たな成長を目指す(1)
■今後の見通し
1. 2025年6月期の連結業績見通し
メディアシーク<4824>は、2024年8月9日に開催された取締役会において、日本リビング保証を株式交換完全親会社、同社を株式交換完全子会社とする経営統合を決議した。この株式交換の効力は2024年11月1日に発生予定であり、これに伴い、同社の普通株式は2024年10月30日に上場廃止となる見込みである。このため、2025年6月期の業績予想及び配当予想の発表は控えている。今後の経営統合により、両社のシナジーを最大限に引き出し、成長を加速させることが期待されているが、業績見通しの発表においては新会社に集約されている。
2. 成長戦略
2024年8月9日、日本リビング保証と同社は、2024年4月26日に締結した基本合意書に基づき、それぞれの取締役会において、株式交換による経営統合を行うことを決議した。本経営統合は、2024年9月に予定される両社の株主総会で承認を得た上で、2024年11月1日に効力が発生する予定である。また、同社の普通株式は、2024年10月30日に東証グロース市場で上場廃止となる予定であり、最終売買日は10月29日である。さらに、日本リビング保証は、経営統合に伴い、同日付で商号を「Solvvy株式会社」に変更することも決議しており、この商号変更は2024年9月25日の定時株主総会での承認を経て実施される予定である。この経営統合により、両社のシナジーを最大限に引き出し、新たな成長を目指す。
(1) 経営統合の目的
本経営統合の目的は、ITシステム開発体制の強化及び内製化である。社内ITエンジニア100名体制を実現することで、既存クライアントへのSIサービス提供とSaaS/FinTech事業の拡大を加速させ、収益の拡大を狙っている。また、社内SIの内製化によるコスト削減効果も見込んでいる。日本リビング保証の保証・金融・BPO機能と、同社のシステムインテグレーション受託やデジタルコンテンツ開発機能を組み合わせることで、独自のメソッドを通じて顧客企業に対する「ストックビジネスコンサルティング」を提供する。この統合により、両社の強みを融合させ、新たな価値を創出することが期待されている。
また、経営統合によって純資産要件などの東証プライム市場の新規上場に関する形式要件が充足されるため、早期での東証プライム市場へのステップアップを目指すことも目的の一つである。
(2) 経営統合によるシナジー
両社の経営統合により、6つのシナジーが期待されている。既存クライアントへのSIサービス提供、新たなSaaSプロダクトの競争力強化、FinTechプロダクトの早期ローンチ、3,600万ユーザーをターゲットとしたマーケティング戦略の展開、ブレインテックサービスの販売強化、そしてスタートアップ支援やM&Aを通じた企業価値拡大が進められ、これらが統合の最大の強みとなる。
a) 既存クライアントへのSIサービス提供
経営統合基本合意以降、大手クライアントを中心にSIニーズのヒアリングや具体的な提案を積極的に進め、多くの課題やニーズに対応し、複数の案件で受注を達成している。これにより、日本リビング保証の営業力を活かしてSI案件を受託し、SaaSの開発・展開にも注力している。さらに、同社の参画により、クライアントへの提供価値が拡大し、同社の増益に寄与している。
b) SaaSプロダクトの競争力強化
「おうちbot」は、住宅事業者の人手不足解消を目的とし、住宅オーナーからの問い合わせに自動対応する業界特化型SaaSであり、両社の共同開発によるものである。ローンチ以来、多くの住宅事業者に採用され、好評を博している。さらに、先進の生成AIとの連携により、柔軟かつ的確な対応を実現し、個社別のカスタマイズ・最適化が可能な新機能の開発も進行中である。同社は、経営統合を通じて、マーケットニーズを捉えた新規事業・サービス開発を一層加速している。
c) FinTechプロダクトの早期ローンチ
両社は、リフォームビジネスにDXと金融を組み合わせた新たなV-SaaS「KROX」をローンチした。これは、リフォーム工事に関する見積、契約、請求業務をWEB上で完結させ、シームレスなカスタマーファイナンスサービスを提供するものである。このサービスは、事業者の業務効率化と収益最大化を支援するSaaS×FinTechの革新的なソリューションである。同社は、経営統合により、ファイナンスサービスの早期ローンチを実現し、さらに競争力を強化している。
d) 3,600万ユーザーのマーケティング活用
同社は、世界最高レベルのコード読み取り技術を搭載した「アイコニット」アプリを活用し、新たなデジタルマーケティングサービスの提供を開始する。アイコニットは約3,600万のダウンロードを誇り、ポイ活アプリとしても機能している。このユーザーベースを活かし、クライアントに対してクイックな市場調査や集客支援スキームを提供する。同社は、経営統合により、3,600万ユーザーを活用したビジネス展開やコンシューマーマーケティングが可能となり、さらなる価値提供が実現する。
e) ブレインテックサービスのマーケティング・販売強化
両社は、経営統合により、新規ビジネスとしてサブスク型ブレインテックサービスの本格展開を開始する。同社が有する国内有数のブレインテック技術を基盤に、独自プロダクト「NeuroSwitch」を既にアトラグループの実店舗で提供しており、今後さらに機能強化を進める予定である。日本リビング保証の金融や保証ノウハウを活用し、脳波計測機器とトレーニングアプリを組み合わせたB-to-Cサブスクリプションサービスとして市場に展開する計画であり、営業力を活かしてさらなる拡販を目指している。
f) スタートアップ提携やM&Aの積極展開
両社は、経営統合を通じて、ノウハウと資金力を融合し、スタートアップ支援を強化することで、資本業務提携やM&Aの積極的展開を目指している。同社はこれまでに6社のIPOを成功させており、幅広いソリューションを提供する強みを持つ。このノウハウと同社の資金力が組み合わさることで、中期的にはCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の設立を計画しており、非連続な成長への挑戦を進める方針である。
(3) 独自のメソッド「SAaaS」
新会社独自の「SAaaS」メソッドは、保証とテクノロジーを融合させた独自のソリューションであり、ストックビジネスの成長を包括的にサポートするために開発された。保証範囲を製品(モノ)だけでなく、サービスやビジネス(コト)にまで拡張し、顧客の収益化を支援する。また、システムインテグレーションでは既存システムの改修から最先端技術の開発まで対応し、業務運営をリアルとデジタルの両面からサポートする。さらに、エンベデッドファイナンスを活用し、ポイントや電子マネー、クレジット機能を提供することで、企業のストックビジネスの構築と成長を促進する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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■今後の見通し
1. 2025年6月期の連結業績見通し
メディアシーク<4824>は、2024年8月9日に開催された取締役会において、日本リビング保証を株式交換完全親会社、同社を株式交換完全子会社とする経営統合を決議した。この株式交換の効力は2024年11月1日に発生予定であり、これに伴い、同社の普通株式は2024年10月30日に上場廃止となる見込みである。このため、2025年6月期の業績予想及び配当予想の発表は控えている。今後の経営統合により、両社のシナジーを最大限に引き出し、成長を加速させることが期待されているが、業績見通しの発表においては新会社に集約されている。
2. 成長戦略
2024年8月9日、日本リビング保証と同社は、2024年4月26日に締結した基本合意書に基づき、それぞれの取締役会において、株式交換による経営統合を行うことを決議した。本経営統合は、2024年9月に予定される両社の株主総会で承認を得た上で、2024年11月1日に効力が発生する予定である。また、同社の普通株式は、2024年10月30日に東証グロース市場で上場廃止となる予定であり、最終売買日は10月29日である。さらに、日本リビング保証は、経営統合に伴い、同日付で商号を「Solvvy株式会社」に変更することも決議しており、この商号変更は2024年9月25日の定時株主総会での承認を経て実施される予定である。この経営統合により、両社のシナジーを最大限に引き出し、新たな成長を目指す。
(1) 経営統合の目的
本経営統合の目的は、ITシステム開発体制の強化及び内製化である。社内ITエンジニア100名体制を実現することで、既存クライアントへのSIサービス提供とSaaS/FinTech事業の拡大を加速させ、収益の拡大を狙っている。また、社内SIの内製化によるコスト削減効果も見込んでいる。日本リビング保証の保証・金融・BPO機能と、同社のシステムインテグレーション受託やデジタルコンテンツ開発機能を組み合わせることで、独自のメソッドを通じて顧客企業に対する「ストックビジネスコンサルティング」を提供する。この統合により、両社の強みを融合させ、新たな価値を創出することが期待されている。
また、経営統合によって純資産要件などの東証プライム市場の新規上場に関する形式要件が充足されるため、早期での東証プライム市場へのステップアップを目指すことも目的の一つである。
(2) 経営統合によるシナジー
両社の経営統合により、6つのシナジーが期待されている。既存クライアントへのSIサービス提供、新たなSaaSプロダクトの競争力強化、FinTechプロダクトの早期ローンチ、3,600万ユーザーをターゲットとしたマーケティング戦略の展開、ブレインテックサービスの販売強化、そしてスタートアップ支援やM&Aを通じた企業価値拡大が進められ、これらが統合の最大の強みとなる。
a) 既存クライアントへのSIサービス提供
経営統合基本合意以降、大手クライアントを中心にSIニーズのヒアリングや具体的な提案を積極的に進め、多くの課題やニーズに対応し、複数の案件で受注を達成している。これにより、日本リビング保証の営業力を活かしてSI案件を受託し、SaaSの開発・展開にも注力している。さらに、同社の参画により、クライアントへの提供価値が拡大し、同社の増益に寄与している。
b) SaaSプロダクトの競争力強化
「おうちbot」は、住宅事業者の人手不足解消を目的とし、住宅オーナーからの問い合わせに自動対応する業界特化型SaaSであり、両社の共同開発によるものである。ローンチ以来、多くの住宅事業者に採用され、好評を博している。さらに、先進の生成AIとの連携により、柔軟かつ的確な対応を実現し、個社別のカスタマイズ・最適化が可能な新機能の開発も進行中である。同社は、経営統合を通じて、マーケットニーズを捉えた新規事業・サービス開発を一層加速している。
c) FinTechプロダクトの早期ローンチ
両社は、リフォームビジネスにDXと金融を組み合わせた新たなV-SaaS「KROX」をローンチした。これは、リフォーム工事に関する見積、契約、請求業務をWEB上で完結させ、シームレスなカスタマーファイナンスサービスを提供するものである。このサービスは、事業者の業務効率化と収益最大化を支援するSaaS×FinTechの革新的なソリューションである。同社は、経営統合により、ファイナンスサービスの早期ローンチを実現し、さらに競争力を強化している。
d) 3,600万ユーザーのマーケティング活用
同社は、世界最高レベルのコード読み取り技術を搭載した「アイコニット」アプリを活用し、新たなデジタルマーケティングサービスの提供を開始する。アイコニットは約3,600万のダウンロードを誇り、ポイ活アプリとしても機能している。このユーザーベースを活かし、クライアントに対してクイックな市場調査や集客支援スキームを提供する。同社は、経営統合により、3,600万ユーザーを活用したビジネス展開やコンシューマーマーケティングが可能となり、さらなる価値提供が実現する。
e) ブレインテックサービスのマーケティング・販売強化
両社は、経営統合により、新規ビジネスとしてサブスク型ブレインテックサービスの本格展開を開始する。同社が有する国内有数のブレインテック技術を基盤に、独自プロダクト「NeuroSwitch」を既にアトラグループの実店舗で提供しており、今後さらに機能強化を進める予定である。日本リビング保証の金融や保証ノウハウを活用し、脳波計測機器とトレーニングアプリを組み合わせたB-to-Cサブスクリプションサービスとして市場に展開する計画であり、営業力を活かしてさらなる拡販を目指している。
f) スタートアップ提携やM&Aの積極展開
両社は、経営統合を通じて、ノウハウと資金力を融合し、スタートアップ支援を強化することで、資本業務提携やM&Aの積極的展開を目指している。同社はこれまでに6社のIPOを成功させており、幅広いソリューションを提供する強みを持つ。このノウハウと同社の資金力が組み合わさることで、中期的にはCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の設立を計画しており、非連続な成長への挑戦を進める方針である。
(3) 独自のメソッド「SAaaS」
新会社独自の「SAaaS」メソッドは、保証とテクノロジーを融合させた独自のソリューションであり、ストックビジネスの成長を包括的にサポートするために開発された。保証範囲を製品(モノ)だけでなく、サービスやビジネス(コト)にまで拡張し、顧客の収益化を支援する。また、システムインテグレーションでは既存システムの改修から最先端技術の開発まで対応し、業務運営をリアルとデジタルの両面からサポートする。さらに、エンベデッドファイナンスを活用し、ポイントや電子マネー、クレジット機能を提供することで、企業のストックビジネスの構築と成長を促進する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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