フィスコニュース
KeyH Research Memo(7):大幅減益となったが、要因は分析済み
2024/09/11 13:07
*13:07JST KeyH Research Memo(7):大幅減益となったが、要因は分析済み
■KeyHolder<4712>の業績動向
1. 2024年12月期第2四半期の業績動向
2024年12月期第2四半期の業績(IFRS)は、売上収益が14,150百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益が561百万円(同64.7%減)、税引前中間利益が530百万円(同65.9%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益が499百万円(同59.8%減)となった。営業利益の進捗率は23.4%で、上期の大きなイベントがあったほか、総じて興行に係る物販等の収益が好調であった前年同期の72.3%とは比較しづらいが、やや低いと言えるだろう。
日本経済は、雇用・所得環境が改善するなか、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されている。しかしながら、全世界的な情勢への不安感や不透明感が見られるなかで、物価の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約などによる景気の下振れリスクに十分注意する必要があり、先行きは予断を許さない状況と言える。このため同社を取り巻く事業環境は日々変化し、一般消費動向の影響を受けやすい事業も一部にあったが、同社は機動的に必要かつ十分な対策を講じることに努めた。また、2024年1月に子会社のノース・リバーが主にゲームアプリの企画・開発・運営などを行う10ANTZの株式を51%取得して子会社化、3月には子会社のUNITED PRODUCTIONSがホラー中心のクリエイティブカンパニーである(株)闇を持分法適用会社化、下期になるが7月には子会社allfuzが海外アーティストの招致などを目的に持分法適用会社HMFJ(同)を設立するなど、グループ収益のさらなる規模拡大と強化に向けて積極的な投資活動を続けた。なお、前期に新設した子会社bijouxが同社初の大型新人発掘オーディションを開催し、約7,000名の応募の中から9名がグランプリほか各賞を受賞、このうち5名が同社グループ内に所属し、デビューに向けて準備を開始した。
売上面では、10ANTZが子会社となった効果はあったものの、海外の映像制作案件の先送りやデジタル広告における主要クライアントである美容脱毛業界全般において、広告宣伝を含むコストの見直しの影響を受けたことなどにより微減収となった。利益面では、原価の上昇や製品ミックスの悪化により売上総利益率が低下、売上収益の伸び悩みに加えオーディションの実施など先行費用により販管費率が上昇、さらに乃木坂46(同)においてコロナ禍の各種補助金が大幅に減少、非常に好調だった前年同期からイベントや物販の収入が平常化したことによって持分法による投資利益が減少した。このため、一部低採算子会社の黒字化は進んだものの、営業利益は前年同期比で大幅なマイナスとなった。通期業績予想に対する進捗率について、売上高の進捗率が44.2%と半分に満たなかったが、これは、既存事業は大半が計画を上回る推移となったものの、デジタル広告が苦戦したこと及び10ANTZの一部既存コンテンツでユーザー数が減少したことが要因である。営業利益の進捗率は23.4%と想定外の低位となったが、これも既存事業は計画に対して大きく進捗したものの、持分法による投資利益の進捗が弱かったこと、10ANTZの売上未達、リアルイベントや新規コンテンツなど先行的な開発費用の増加の影響が大きかった。特に持分法による投資利益は、コロナ補助金が前期比大幅に減少した影響や、乃木坂46における収益機会となる卒業コンサートなどを複数開催した反動が大きかったと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
■KeyHolder<4712>の業績動向
1. 2024年12月期第2四半期の業績動向
2024年12月期第2四半期の業績(IFRS)は、売上収益が14,150百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益が561百万円(同64.7%減)、税引前中間利益が530百万円(同65.9%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益が499百万円(同59.8%減)となった。営業利益の進捗率は23.4%で、上期の大きなイベントがあったほか、総じて興行に係る物販等の収益が好調であった前年同期の72.3%とは比較しづらいが、やや低いと言えるだろう。
日本経済は、雇用・所得環境が改善するなか、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されている。しかしながら、全世界的な情勢への不安感や不透明感が見られるなかで、物価の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約などによる景気の下振れリスクに十分注意する必要があり、先行きは予断を許さない状況と言える。このため同社を取り巻く事業環境は日々変化し、一般消費動向の影響を受けやすい事業も一部にあったが、同社は機動的に必要かつ十分な対策を講じることに努めた。また、2024年1月に子会社のノース・リバーが主にゲームアプリの企画・開発・運営などを行う10ANTZの株式を51%取得して子会社化、3月には子会社のUNITED PRODUCTIONSがホラー中心のクリエイティブカンパニーである(株)闇を持分法適用会社化、下期になるが7月には子会社allfuzが海外アーティストの招致などを目的に持分法適用会社HMFJ(同)を設立するなど、グループ収益のさらなる規模拡大と強化に向けて積極的な投資活動を続けた。なお、前期に新設した子会社bijouxが同社初の大型新人発掘オーディションを開催し、約7,000名の応募の中から9名がグランプリほか各賞を受賞、このうち5名が同社グループ内に所属し、デビューに向けて準備を開始した。
売上面では、10ANTZが子会社となった効果はあったものの、海外の映像制作案件の先送りやデジタル広告における主要クライアントである美容脱毛業界全般において、広告宣伝を含むコストの見直しの影響を受けたことなどにより微減収となった。利益面では、原価の上昇や製品ミックスの悪化により売上総利益率が低下、売上収益の伸び悩みに加えオーディションの実施など先行費用により販管費率が上昇、さらに乃木坂46(同)においてコロナ禍の各種補助金が大幅に減少、非常に好調だった前年同期からイベントや物販の収入が平常化したことによって持分法による投資利益が減少した。このため、一部低採算子会社の黒字化は進んだものの、営業利益は前年同期比で大幅なマイナスとなった。通期業績予想に対する進捗率について、売上高の進捗率が44.2%と半分に満たなかったが、これは、既存事業は大半が計画を上回る推移となったものの、デジタル広告が苦戦したこと及び10ANTZの一部既存コンテンツでユーザー数が減少したことが要因である。営業利益の進捗率は23.4%と想定外の低位となったが、これも既存事業は計画に対して大きく進捗したものの、持分法による投資利益の進捗が弱かったこと、10ANTZの売上未達、リアルイベントや新規コンテンツなど先行的な開発費用の増加の影響が大きかった。特に持分法による投資利益は、コロナ補助金が前期比大幅に減少した影響や、乃木坂46における収益機会となる卒業コンサートなどを複数開催した反動が大きかったと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>