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ロジザード Research Memo(3):物流業務の精度向上と効率化をシステム面から支える
2024/09/06 14:03
*14:03JST ロジザード Research Memo(3):物流業務の精度向上と効率化をシステム面から支える
■ロジザード<4391>の会社概要
(1) 倉庫在庫管理システム「ロジザードZERO」
小売業、流通業、3PL企業を顧客として倉庫内に保管されている商品(在庫)の数を正確に把握するとともに、倉庫内作業の効率化を実現するシステムである。商品の入荷から出荷、返品、庫内での棚移動まですべての商品の動きをバーコードで読み取り、物理的に管理することで、「正確な在庫管理」「誤出荷の防止」「倉庫内作業の効率化(標準化)」を実現している。主な機能は、物流現場の効率化・省力化を実現するためのマテハン・物流ロボットとの連携機能、賞味期限などの有効期限を管理する商品管理機能のほか、リピート通販の正確性・効率性を向上させる同梱物管理機能、保管場所や商品から在庫照会が可能な在庫・状況照会機能、ログインパスワード管理などができるセキュリティ対応機能、「ロジザードZERO-STORE」との連携による店舗在庫管理機能など、多岐にわたる。バーコードを読み取るハンディターミナルはオプションとしてレンタルしており、バッテリーの無償交換、故障機の即日交換などにも対応している。そのほか、据え置き型のバーコードリーダーなどもオプションとして提供しており、顧客の利便性を向上させるために適宜オプション機能を追加し、製品強化を図っている。
また、サポート専任チームによる充実したサポート体制、最短1ヶ月で導入可能なスピード実装、外部システムとの多彩な連携も同サービスの強みだ。最小限のカスタマイズで様々な外部システムと連携できるため、顧客は低コスト・短期間でサービスを導入できる。特に、荷主からのタイトなスケジュールに対応しなくてはならない3PL企業に対しては、導入までの期間が短く、荷主の指定する出荷日までに確実にシステムを稼働させることができる安心と信頼のサービス力が訴求ポイントになっている。外部システムとの連携は着実に進行しており、2024年6月期にはOMO/オムニチャネル※対応型総合ECプラットフォーム「W2 Unified」・D2Cリピート通販向けECプラットフォーム「W2 Repeat」、クラウド録画サービス「Safie」、送り状発行システム「Ship&co」、SaaS型EC構築プラットフォーム「futureshop」、在庫予測・粗利最大化ツール「LTV-Zaiko」などとの連携を新たに開始している。また、その他にも倉庫業務を見える化するクラウドサービス「SmaCo」、物流倉庫レポートツール「Quick Loda」とシステム連携に向けた実証実験も開始しており、同サービスの利便性の向上に継続的に取り組んでいる。
※ オムニチャネル(Omni-Channel)とは、消費者がモノを買うときにすべて(=オムニ)の接点(=チャネル)で継ぎ目なく購入できるようになるための環境のこと。販売側が提供する各チャネルに対して、オンライン(例:ネットショップ)・オフライン(例:実店舗)を問わず、消費者側が在庫数やポイントカードなどの心配をせずに商品を購入できる、「シームレスな購買体験」を提供できる状態のこと。
具体的な活用シーンとしては、消費者からの注文を受けた際のピッキング作業がある。「ロジザードZERO」から「対象の商品は棚の下から2番目の右から3番目。同商品を梱包し、〇〇宛に出荷してください」といった指示があり、正確なピッキング作業が可能になる。
(2) 店舗在庫管理システム「ロジザードZERO-STORE」
「ロジザードZERO-STORE」は、店舗における在庫管理の効率化を実現するシステムである。主な機能は、在庫管理、POSレジ(他社製品との連携でオプション提供)、分析ツールの3つである。分析ツールは、店舗での売上げを自動で集計・分析する機能を持ち、販売戦略の立案に活用することができる。在庫管理とPOSレジについては、管理者(本部)と事業所(店舗)それぞれに有用な機能を提供している。在庫管理においては、管理者向けに在庫管理・売上管理・棚卸管理などの機能を提供している。例えば、本部が各事業所のデータを一元管理できるようになり、各事業所の効率的管理や全体最適化に有効だ。事業所向けにはスマートフォンを利用した売上げ・在庫登録機能、他店舗の在庫をリアルタイムで確認できる他店舗在庫照会機能などを提供している。これらの機能によって、店舗作業の効率化と消費者への迅速な対応が可能となる。
POSレジは、タブレット端末を利用する精算業務支援サービスと連携して提供している。クレジットカード処理などの基本的なレジ機能に加えて、値引きなどの単価変更、領収書印刷、店舗売上データの本部への送信機能などがある。レシートプリンターやハンディターミナルといった周辺機器との連携も容易で、汎用性の高さも特徴だ。低コストで導入可能な点も魅力である。高価なPOSレジの代わりにタブレット端末でクラウド経由でサービスを受けられるため、中小規模の企業でも気軽に導入することができる。2023年9月には高機能クラウドPOSレジ「スマレジ」との連携を開始しており、顧客の利便性と同システムの訴求力を向上させている。また、短期間での導入や充実したサポート体制なども、ほかのサービスと同様に顧客から支持される要因の1つになっている。
具体的な活用シーンとしては、消費者から商品の在庫に関する問い合わせがあった際に、スマートフォンでの在庫の確認、在庫がある場合にはバックヤードのどの棚にあるかの確認などができ、消費者への迅速な対応が可能となる。
(3) OMO支援システム「ロジザードOCE」
「ロジザードOCE」は、顧客のオムニチャネルを支援するシステムである。同社の「ロジザードZERO」や「ロジザードZERO-STORE」と連携することで、店舗・倉庫の一元化したデータを活用して消費者ごとに最適な出荷・配送を実現できる。在庫を一元管理することによって、複数のチャネルを総合的に活用するオムニチャネル戦略のスムーズな運用にも貢献する。また、他社が提供するWMSと接続して上記の機能を活用できる点も特徴だ。OMOマーケティングに対するニーズが高まりを見せるなか、同システムに対する需要は、今後も堅調に推移していくと弊社は考える。
具体的な活用シーンとしては、消費者からEC経由で注文があった際に、対象商品の在庫がある店舗・倉庫を確認し、どこから配送するのが最も効率的なのかを判断できる。
(4) 料金体系と販売チャネル
「ロジザードZERO」「ロジザードZERO-STORE」「ロジザードOCE」のうち、「ロジザードZERO」では月額固定料と月額従量料を、「ロジザードZERO-STORE」「ロジザードOCE」では月額固定料を選択でき、顧客または顧客の荷主のビジネス上の特性に合わせて利用できる。外部システムとの連携は、アプリケーションパートナーが提供するアプリとの間では、オプション料を追加することで追加開発不要で使用できる。クラウドサービスで安定した収益を上げながら、オプションなどによるアップセルもできる収益モデルだ。
販売チャネルは、同社による直接販売、代理店をとおしての営業活動がある。代理店については、「ロジザード」シリーズと連携したシステムを開発・販売するアプリケーションパートナーと、代理店などの販売パートナーに分かれている。アプリケーションパートナーには、GMOメイクショップ(株)といったEC支援システムや受注管理システムなどを開発する企業が名を連ねている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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■ロジザード<4391>の会社概要
(1) 倉庫在庫管理システム「ロジザードZERO」
小売業、流通業、3PL企業を顧客として倉庫内に保管されている商品(在庫)の数を正確に把握するとともに、倉庫内作業の効率化を実現するシステムである。商品の入荷から出荷、返品、庫内での棚移動まですべての商品の動きをバーコードで読み取り、物理的に管理することで、「正確な在庫管理」「誤出荷の防止」「倉庫内作業の効率化(標準化)」を実現している。主な機能は、物流現場の効率化・省力化を実現するためのマテハン・物流ロボットとの連携機能、賞味期限などの有効期限を管理する商品管理機能のほか、リピート通販の正確性・効率性を向上させる同梱物管理機能、保管場所や商品から在庫照会が可能な在庫・状況照会機能、ログインパスワード管理などができるセキュリティ対応機能、「ロジザードZERO-STORE」との連携による店舗在庫管理機能など、多岐にわたる。バーコードを読み取るハンディターミナルはオプションとしてレンタルしており、バッテリーの無償交換、故障機の即日交換などにも対応している。そのほか、据え置き型のバーコードリーダーなどもオプションとして提供しており、顧客の利便性を向上させるために適宜オプション機能を追加し、製品強化を図っている。
また、サポート専任チームによる充実したサポート体制、最短1ヶ月で導入可能なスピード実装、外部システムとの多彩な連携も同サービスの強みだ。最小限のカスタマイズで様々な外部システムと連携できるため、顧客は低コスト・短期間でサービスを導入できる。特に、荷主からのタイトなスケジュールに対応しなくてはならない3PL企業に対しては、導入までの期間が短く、荷主の指定する出荷日までに確実にシステムを稼働させることができる安心と信頼のサービス力が訴求ポイントになっている。外部システムとの連携は着実に進行しており、2024年6月期にはOMO/オムニチャネル※対応型総合ECプラットフォーム「W2 Unified」・D2Cリピート通販向けECプラットフォーム「W2 Repeat」、クラウド録画サービス「Safie」、送り状発行システム「Ship&co」、SaaS型EC構築プラットフォーム「futureshop」、在庫予測・粗利最大化ツール「LTV-Zaiko」などとの連携を新たに開始している。また、その他にも倉庫業務を見える化するクラウドサービス「SmaCo」、物流倉庫レポートツール「Quick Loda」とシステム連携に向けた実証実験も開始しており、同サービスの利便性の向上に継続的に取り組んでいる。
※ オムニチャネル(Omni-Channel)とは、消費者がモノを買うときにすべて(=オムニ)の接点(=チャネル)で継ぎ目なく購入できるようになるための環境のこと。販売側が提供する各チャネルに対して、オンライン(例:ネットショップ)・オフライン(例:実店舗)を問わず、消費者側が在庫数やポイントカードなどの心配をせずに商品を購入できる、「シームレスな購買体験」を提供できる状態のこと。
具体的な活用シーンとしては、消費者からの注文を受けた際のピッキング作業がある。「ロジザードZERO」から「対象の商品は棚の下から2番目の右から3番目。同商品を梱包し、〇〇宛に出荷してください」といった指示があり、正確なピッキング作業が可能になる。
(2) 店舗在庫管理システム「ロジザードZERO-STORE」
「ロジザードZERO-STORE」は、店舗における在庫管理の効率化を実現するシステムである。主な機能は、在庫管理、POSレジ(他社製品との連携でオプション提供)、分析ツールの3つである。分析ツールは、店舗での売上げを自動で集計・分析する機能を持ち、販売戦略の立案に活用することができる。在庫管理とPOSレジについては、管理者(本部)と事業所(店舗)それぞれに有用な機能を提供している。在庫管理においては、管理者向けに在庫管理・売上管理・棚卸管理などの機能を提供している。例えば、本部が各事業所のデータを一元管理できるようになり、各事業所の効率的管理や全体最適化に有効だ。事業所向けにはスマートフォンを利用した売上げ・在庫登録機能、他店舗の在庫をリアルタイムで確認できる他店舗在庫照会機能などを提供している。これらの機能によって、店舗作業の効率化と消費者への迅速な対応が可能となる。
POSレジは、タブレット端末を利用する精算業務支援サービスと連携して提供している。クレジットカード処理などの基本的なレジ機能に加えて、値引きなどの単価変更、領収書印刷、店舗売上データの本部への送信機能などがある。レシートプリンターやハンディターミナルといった周辺機器との連携も容易で、汎用性の高さも特徴だ。低コストで導入可能な点も魅力である。高価なPOSレジの代わりにタブレット端末でクラウド経由でサービスを受けられるため、中小規模の企業でも気軽に導入することができる。2023年9月には高機能クラウドPOSレジ「スマレジ」との連携を開始しており、顧客の利便性と同システムの訴求力を向上させている。また、短期間での導入や充実したサポート体制なども、ほかのサービスと同様に顧客から支持される要因の1つになっている。
具体的な活用シーンとしては、消費者から商品の在庫に関する問い合わせがあった際に、スマートフォンでの在庫の確認、在庫がある場合にはバックヤードのどの棚にあるかの確認などができ、消費者への迅速な対応が可能となる。
(3) OMO支援システム「ロジザードOCE」
「ロジザードOCE」は、顧客のオムニチャネルを支援するシステムである。同社の「ロジザードZERO」や「ロジザードZERO-STORE」と連携することで、店舗・倉庫の一元化したデータを活用して消費者ごとに最適な出荷・配送を実現できる。在庫を一元管理することによって、複数のチャネルを総合的に活用するオムニチャネル戦略のスムーズな運用にも貢献する。また、他社が提供するWMSと接続して上記の機能を活用できる点も特徴だ。OMOマーケティングに対するニーズが高まりを見せるなか、同システムに対する需要は、今後も堅調に推移していくと弊社は考える。
具体的な活用シーンとしては、消費者からEC経由で注文があった際に、対象商品の在庫がある店舗・倉庫を確認し、どこから配送するのが最も効率的なのかを判断できる。
(4) 料金体系と販売チャネル
「ロジザードZERO」「ロジザードZERO-STORE」「ロジザードOCE」のうち、「ロジザードZERO」では月額固定料と月額従量料を、「ロジザードZERO-STORE」「ロジザードOCE」では月額固定料を選択でき、顧客または顧客の荷主のビジネス上の特性に合わせて利用できる。外部システムとの連携は、アプリケーションパートナーが提供するアプリとの間では、オプション料を追加することで追加開発不要で使用できる。クラウドサービスで安定した収益を上げながら、オプションなどによるアップセルもできる収益モデルだ。
販売チャネルは、同社による直接販売、代理店をとおしての営業活動がある。代理店については、「ロジザード」シリーズと連携したシステムを開発・販売するアプリケーションパートナーと、代理店などの販売パートナーに分かれている。アプリケーションパートナーには、GMOメイクショップ(株)といったEC支援システムや受注管理システムなどを開発する企業が名を連ねている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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