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ロジザード Research Memo(1):2024年6月期は増収大幅増益で売上、利益共に過去最高を記録
2024/09/06 14:01
*14:01JST ロジザード Research Memo(1):2024年6月期は増収大幅増益で売上、利益共に過去最高を記録
■要約
ロジザード<4391>は小売業、流通業、メーカー、3PL企業を主要な顧客とし、在庫管理を支援するシステムの販売とそれに付随するサービスを提供している。同社が提供するシステムは、倉庫の在庫管理を支援する「ロジザードZERO」、店舗の在庫管理を支援する「ロジザードZERO-STORE」、複数店舗・倉庫の在庫を一元管理することによって効率的な在庫管理と物流の実現を支援する「ロジザードOCE」の3つである。中小規模の企業でも導入しやすいよう、クラウド経由で提供している。主力のクラウドサービスの収益モデルはサブスクリプションモデルであるため、収益基盤は安定しており、収益性も高い(2024年6月期のクラウドサービスの売上構成比は79.1%)。
1. 2024年6月期の業績概要
2024年6月期の業績※は、売上高が前期比6.7%増の1,977百万円、営業利益が同32.8%増の346百万円、経常利益が同32.9%増の346百万円、当期純利益が同36.7%増の252百万円だった。主力のクラウドサービスをけん引役にすべてのサービスが増収増益と好調に推移した。これを受け、売上高は24期連続の増収、最終利益は過去最高額を記録した。特に利益の伸びが大きく、営業利益以下の各利益はそろって2ケタ伸長と急伸した。収益性の高いクラウドサービスで順調に新規アカウントを積み上げたことなどが寄与した格好だ。また、開発・導入サービスと機器販売サービスの粗利率が向上したことも利益の積み上げに寄与した。利益が売上高増加率を上回る伸びを見せるなかで収益性も高まり、営業利益率は前期比プラス3.4ポイントの17.5%まで上昇した。
※ 同社は2023年6月期第3四半期より非連結決算に移行している。
2. 2025年6月期の業績見通し
2025年6月期の業績は、売上高で前期比12.0%増の2,214百万円、営業利益で同15.6%増の400百万円、経常利益で同15.6%増の400百万円、当期純利益で同11.3%増の281百万円を見込んでいる。WMS市場では、物流2024年問題などの人手不足を背景として自動化に対するニーズが高まっているほか、多様化した消費者ニーズへの対応と販売機会の最大化を目的としてOMO※マーケティングに対する注目度も高まるなど、事業環境の見通しは引き続き良好である。そうしたなか、主力のクラウドサービスが好調に推移することを見込んでいるほか、開発・導入サービスの売上高も前期比41.1%増と急伸する見通しだ。また、2024年6月期末時点の受注残高が過去最高水準に積み上がっていることも業績予想達成に向けたプラス要因だ。これらにより、連結ベースの売上高増加率は2024年6月期の伸びを上回ることを見込む。利益面に関しては、人材やプロモーション投資を積極化しつつも、収益性が高まることを想定している。利益率の高いクラウドサービスで新規アカウントを積み上げることや、販管費の伸びを適切にコントロールすることなどによって収益性を高める構えだ。
※ OMO(Online Merges with Offline)とは、オンライン・オフラインを区別することなく、オンライン上に統合された状態を構築し、これまでにない新しい購買体験を提供する概念や取り組みのこと。
3. 中期経営計画の概要
新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を経て事業環境や顧客ニーズが変化してくるなかで同社は、「時流製品×ハイタッチサービス」を中期事業計画の基本戦略として業績の拡大と企業価値の向上に注力していく。WMS市場では、自動化・省力化やOMOマーケティングに対するニーズが高まっている。そうしたなかで同社は、「BtoBに広がるWMSニーズ」「労働力不足を補う自動化トレンド」「進む店舗のスマート化とオンラインとの融合」といった時流をビジネスチャンスと捉える。時流を適切に捉えた製品開発の推進と質の高いサービスを継続的に提供できる体制の確立・拡充によって、変化する顧客ニーズを確実に取り込み、業績の拡大に結び付けていく戦略だ。特に足元ではBtoB領域で事業活動を行う企業からの引き合いが活況である。また、既存のBtoC市場では新規参入などによって競合度合いが高まっている。こうしたなか、同社はBtoC市場でのシェアを確保しながら、BtoB領域へと積極的に事業を拡大させる方針だ。また、顧客への価値提供能力にさらに磨きをかけるため、人員の拡充と社内人事制度のさらなる整備も推進する。これらの各種施策を着実に実行することにより、最終年度となる2026年6月期には、主力のクラウドサービスの売上高で1,896百万円(2024年6月期比21.2%増)、経常利益で493百万円(同42.5%増)を目指す。また、人員に関しては2027年6月期までに157名まで増員する計画だ。
■Key Points
・2024年6月期は増収増益で売上、最終利益共に過去最高業績を更新
・主力のクラウドサービスが好調だったことなどにより収益性もさらに高まる
・2025年6月期も増収増益を見込む。外部環境の見通しは良好で全事業で増収の見通し
・中期経営計画ではOMOマーケティングへのニーズの高まり、人手不足に起因する省力化・自動化へのニーズに対応しながらBtoB市場への進出に注力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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■要約
ロジザード<4391>は小売業、流通業、メーカー、3PL企業を主要な顧客とし、在庫管理を支援するシステムの販売とそれに付随するサービスを提供している。同社が提供するシステムは、倉庫の在庫管理を支援する「ロジザードZERO」、店舗の在庫管理を支援する「ロジザードZERO-STORE」、複数店舗・倉庫の在庫を一元管理することによって効率的な在庫管理と物流の実現を支援する「ロジザードOCE」の3つである。中小規模の企業でも導入しやすいよう、クラウド経由で提供している。主力のクラウドサービスの収益モデルはサブスクリプションモデルであるため、収益基盤は安定しており、収益性も高い(2024年6月期のクラウドサービスの売上構成比は79.1%)。
1. 2024年6月期の業績概要
2024年6月期の業績※は、売上高が前期比6.7%増の1,977百万円、営業利益が同32.8%増の346百万円、経常利益が同32.9%増の346百万円、当期純利益が同36.7%増の252百万円だった。主力のクラウドサービスをけん引役にすべてのサービスが増収増益と好調に推移した。これを受け、売上高は24期連続の増収、最終利益は過去最高額を記録した。特に利益の伸びが大きく、営業利益以下の各利益はそろって2ケタ伸長と急伸した。収益性の高いクラウドサービスで順調に新規アカウントを積み上げたことなどが寄与した格好だ。また、開発・導入サービスと機器販売サービスの粗利率が向上したことも利益の積み上げに寄与した。利益が売上高増加率を上回る伸びを見せるなかで収益性も高まり、営業利益率は前期比プラス3.4ポイントの17.5%まで上昇した。
※ 同社は2023年6月期第3四半期より非連結決算に移行している。
2. 2025年6月期の業績見通し
2025年6月期の業績は、売上高で前期比12.0%増の2,214百万円、営業利益で同15.6%増の400百万円、経常利益で同15.6%増の400百万円、当期純利益で同11.3%増の281百万円を見込んでいる。WMS市場では、物流2024年問題などの人手不足を背景として自動化に対するニーズが高まっているほか、多様化した消費者ニーズへの対応と販売機会の最大化を目的としてOMO※マーケティングに対する注目度も高まるなど、事業環境の見通しは引き続き良好である。そうしたなか、主力のクラウドサービスが好調に推移することを見込んでいるほか、開発・導入サービスの売上高も前期比41.1%増と急伸する見通しだ。また、2024年6月期末時点の受注残高が過去最高水準に積み上がっていることも業績予想達成に向けたプラス要因だ。これらにより、連結ベースの売上高増加率は2024年6月期の伸びを上回ることを見込む。利益面に関しては、人材やプロモーション投資を積極化しつつも、収益性が高まることを想定している。利益率の高いクラウドサービスで新規アカウントを積み上げることや、販管費の伸びを適切にコントロールすることなどによって収益性を高める構えだ。
※ OMO(Online Merges with Offline)とは、オンライン・オフラインを区別することなく、オンライン上に統合された状態を構築し、これまでにない新しい購買体験を提供する概念や取り組みのこと。
3. 中期経営計画の概要
新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を経て事業環境や顧客ニーズが変化してくるなかで同社は、「時流製品×ハイタッチサービス」を中期事業計画の基本戦略として業績の拡大と企業価値の向上に注力していく。WMS市場では、自動化・省力化やOMOマーケティングに対するニーズが高まっている。そうしたなかで同社は、「BtoBに広がるWMSニーズ」「労働力不足を補う自動化トレンド」「進む店舗のスマート化とオンラインとの融合」といった時流をビジネスチャンスと捉える。時流を適切に捉えた製品開発の推進と質の高いサービスを継続的に提供できる体制の確立・拡充によって、変化する顧客ニーズを確実に取り込み、業績の拡大に結び付けていく戦略だ。特に足元ではBtoB領域で事業活動を行う企業からの引き合いが活況である。また、既存のBtoC市場では新規参入などによって競合度合いが高まっている。こうしたなか、同社はBtoC市場でのシェアを確保しながら、BtoB領域へと積極的に事業を拡大させる方針だ。また、顧客への価値提供能力にさらに磨きをかけるため、人員の拡充と社内人事制度のさらなる整備も推進する。これらの各種施策を着実に実行することにより、最終年度となる2026年6月期には、主力のクラウドサービスの売上高で1,896百万円(2024年6月期比21.2%増)、経常利益で493百万円(同42.5%増)を目指す。また、人員に関しては2027年6月期までに157名まで増員する計画だ。
■Key Points
・2024年6月期は増収増益で売上、最終利益共に過去最高業績を更新
・主力のクラウドサービスが好調だったことなどにより収益性もさらに高まる
・2025年6月期も増収増益を見込む。外部環境の見通しは良好で全事業で増収の見通し
・中期経営計画ではOMOマーケティングへのニーズの高まり、人手不足に起因する省力化・自動化へのニーズに対応しながらBtoB市場への進出に注力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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