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城南進研 Research Memo(9):中計最終年の2026年3月期に売上62億円、営業利益率10%を目指す(1)
2024/08/14 13:09
*13:09JST 城南進研 Research Memo(9):中計最終年の2026年3月期に売上62億円、営業利益率10%を目指す(1)
■今後の見通し
2. 中期経営計画
(1) 中期経営計画の概要と進捗状況
城南進学研究社<4720>は2024年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画において、「総合教育ソリューション企業として、たくましい知性、しなやかな感性を育む能力開発のLeading Companyとなる」を企業ビジョンとして掲げ、企業理念である「学びをアップデートせよ」、経営理念である「生徒第一主義の実践」をベースに5つの基本戦略と経営数値目標を策定し、企業価値向上に取り組んでいる。
経営数値目標としては、最終年度となる2026年3月期に売上高で6,780百万円、営業利益率で10%を目標に掲げていたが、2024年3月期の実績などを踏まえて、売上高については6,208百万円に引き下げた。今後2年間の年平均売上成長率は3%と堅実な成長が続く計画とした。営業利益率に関しては、2025年3月期の計画が0.4%、パソコン等のIT投資費用を除いたベースでも2.5%であり、目標達成のハードルは高くなったが、付加価値の高い教育ソリューション事業(デキタス、りんご塾、くぼた式育児メソッド等)の今後の成長次第で収益性も大きく向上する可能性はあり、引き続き10%を目標としている。同社は以下に掲げる5つの基本戦略を着実に遂行することで、業績を再成長軌道に乗せていく考えだ。
(2) 基本戦略
a) 学びの個別最適化と教室力の強化
個別指導部門の収益回復施策として、学びの個別最適化と教室力の強化を推進し、学力向上と志望校への合格という顧客目標を実現することでブランド力を向上させ、生徒数の拡大につなげる。学びの個別最適化に向けては、「城南コベッツ」において、「デキタス」やAI教材「atama+(アタマプラス)」を用いて、受講生の学力にあわせて効率的な基礎学力向上に取り組んでいるほか、2022年3月期より導入した「スタディ・フリープラン」が好評で、「本当の“個別指導”」を追求したことにより学力向上や志望校への合格実績が増えるなどその成果も見え始めている。
2023年4~8月に実施した生徒・保護者アンケートでは、「教室の指導に非常に満足している、または満足している」と回答した比率が98.9%※1に達したほか、受講生の93.5%の成績がアップ※2するなど具体的な成果も得られている。満足度の高い理由として、「授業内容がわかりやすい、落ち着いて勉強できる、フリープランなので勉強する時間が増えた」などの声がアンケート調査であがっている。顧客満足度の向上により退塾率も改善されており、今後は新規生徒の獲得数をいかに増やせるかが課題となる。小学生については「りんご塾」の導入効果で生徒数が増加しているが、中学生では口コミなどの友達紹介や自社Webサイトの充実による問い合わせ件数の拡大に取り組む。
※1 2023年4~8月実施の保護者・生徒対象定例アンケート全5回の集計値。
※2 公立中学生において、入塾後に英語・数学の成績が向上した割合(2023年1月集計。集計対象:在籍12ヶ月生)。
b) 付加価値の高い幼少教育事業の新展開
幼少教育事業では、STEAM※を中心とした複数の乳幼児教育サービスを提供する複合型スクール「城南ブレインパーク」を「キッズブレインパーク」にリブランディングし、2025年3月期よりFC展開を開始している。「Kubotaのうけん」「アタマGYM」をベースに「りんご塾」や「こども英語クラブ」など合計13種類のプログラムを用意しており、FC加盟企業はそのなかから提供するプログラムを選択できる。曜日ごとに異なるプログラムを提供するなど多様なニーズを取り込めるため、単一のプログラムを提供するよりも収益化しやすいというメリットがあり、少子化の進行で顧客獲得競争が激化するなか、顧客獲得ツールとして「キッズブレインパーク」を導入する企業が今後拡大していくものと期待される。とりわけ、2023年4月に業務提携を発表した明光ネットワークジャパンは、「りんご塾」の導入からスタートしたが、今後複数プログラムを導入していく可能性も十分に考えられる。
※STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の略語で、これらを統合的に学習する教育理念のことをSTEAM教育と呼んでいる。
なお、同社は2024年6月に、「Kubotaのうけん」が監修する“育脳”カリキュラムを、自宅にいながらスマートフォンで気軽に実践できる動画コンテンツ「すくすくWeb」をリリースした。「週に1回1メニュー(約2~3分)」の動画を視聴し、実践するもので月額550円(税込)とリーズナブルな価格で提供する。「Kubotaのうけん」の教室がない地域でのサービス提供というだけでなく、同コンテンツの拡散により認知度を広げることで保育園や幼稚園への導入、あるいはキッズブレインパークのFC展開の拡大につなげる狙いがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
■今後の見通し
2. 中期経営計画
(1) 中期経営計画の概要と進捗状況
城南進学研究社<4720>は2024年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画において、「総合教育ソリューション企業として、たくましい知性、しなやかな感性を育む能力開発のLeading Companyとなる」を企業ビジョンとして掲げ、企業理念である「学びをアップデートせよ」、経営理念である「生徒第一主義の実践」をベースに5つの基本戦略と経営数値目標を策定し、企業価値向上に取り組んでいる。
経営数値目標としては、最終年度となる2026年3月期に売上高で6,780百万円、営業利益率で10%を目標に掲げていたが、2024年3月期の実績などを踏まえて、売上高については6,208百万円に引き下げた。今後2年間の年平均売上成長率は3%と堅実な成長が続く計画とした。営業利益率に関しては、2025年3月期の計画が0.4%、パソコン等のIT投資費用を除いたベースでも2.5%であり、目標達成のハードルは高くなったが、付加価値の高い教育ソリューション事業(デキタス、りんご塾、くぼた式育児メソッド等)の今後の成長次第で収益性も大きく向上する可能性はあり、引き続き10%を目標としている。同社は以下に掲げる5つの基本戦略を着実に遂行することで、業績を再成長軌道に乗せていく考えだ。
(2) 基本戦略
a) 学びの個別最適化と教室力の強化
個別指導部門の収益回復施策として、学びの個別最適化と教室力の強化を推進し、学力向上と志望校への合格という顧客目標を実現することでブランド力を向上させ、生徒数の拡大につなげる。学びの個別最適化に向けては、「城南コベッツ」において、「デキタス」やAI教材「atama+(アタマプラス)」を用いて、受講生の学力にあわせて効率的な基礎学力向上に取り組んでいるほか、2022年3月期より導入した「スタディ・フリープラン」が好評で、「本当の“個別指導”」を追求したことにより学力向上や志望校への合格実績が増えるなどその成果も見え始めている。
2023年4~8月に実施した生徒・保護者アンケートでは、「教室の指導に非常に満足している、または満足している」と回答した比率が98.9%※1に達したほか、受講生の93.5%の成績がアップ※2するなど具体的な成果も得られている。満足度の高い理由として、「授業内容がわかりやすい、落ち着いて勉強できる、フリープランなので勉強する時間が増えた」などの声がアンケート調査であがっている。顧客満足度の向上により退塾率も改善されており、今後は新規生徒の獲得数をいかに増やせるかが課題となる。小学生については「りんご塾」の導入効果で生徒数が増加しているが、中学生では口コミなどの友達紹介や自社Webサイトの充実による問い合わせ件数の拡大に取り組む。
※1 2023年4~8月実施の保護者・生徒対象定例アンケート全5回の集計値。
※2 公立中学生において、入塾後に英語・数学の成績が向上した割合(2023年1月集計。集計対象:在籍12ヶ月生)。
b) 付加価値の高い幼少教育事業の新展開
幼少教育事業では、STEAM※を中心とした複数の乳幼児教育サービスを提供する複合型スクール「城南ブレインパーク」を「キッズブレインパーク」にリブランディングし、2025年3月期よりFC展開を開始している。「Kubotaのうけん」「アタマGYM」をベースに「りんご塾」や「こども英語クラブ」など合計13種類のプログラムを用意しており、FC加盟企業はそのなかから提供するプログラムを選択できる。曜日ごとに異なるプログラムを提供するなど多様なニーズを取り込めるため、単一のプログラムを提供するよりも収益化しやすいというメリットがあり、少子化の進行で顧客獲得競争が激化するなか、顧客獲得ツールとして「キッズブレインパーク」を導入する企業が今後拡大していくものと期待される。とりわけ、2023年4月に業務提携を発表した明光ネットワークジャパンは、「りんご塾」の導入からスタートしたが、今後複数プログラムを導入していく可能性も十分に考えられる。
※STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の略語で、これらを統合的に学習する教育理念のことをSTEAM教育と呼んでいる。
なお、同社は2024年6月に、「Kubotaのうけん」が監修する“育脳”カリキュラムを、自宅にいながらスマートフォンで気軽に実践できる動画コンテンツ「すくすくWeb」をリリースした。「週に1回1メニュー(約2~3分)」の動画を視聴し、実践するもので月額550円(税込)とリーズナブルな価格で提供する。「Kubotaのうけん」の教室がない地域でのサービス提供というだけでなく、同コンテンツの拡散により認知度を広げることで保育園や幼稚園への導入、あるいはキッズブレインパークのFC展開の拡大につなげる狙いがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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