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ダイコク電 Research Memo(6):2025年3月期も、スマートパチスロ機の市場投入等により最高益更新の見通し
2024/07/26 12:06
*12:06JST ダイコク電 Research Memo(6):2025年3月期も、スマートパチスロ機の市場投入等により最高益更新の見通し
■業績見通し
1. 2025年3月期の業績予想
2025年3月期の業績についてダイコク電機<6430>は、売上高が前期比2.1%増の55,000百万円、営業利益が同3.3%増の12,400百万円、経常利益が同3.3%増の12,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.4%増の8,500百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。
引き続き「情報システム事業」が、スマート遊技機向け設備販売や改刷対応により過去最高売上高を更新する見通しである。「アミューズメント事業」についても、自社ブランドによるスマートパチスロ機の市場投入により増収を見込んでいる。
利益面でも、DX推進や社内体制の整備に向けた費用のほか、積極的な開発投資※を継続するものの、「情報システム事業」の高収益維持と「アミューズメント事業」の黒字化により増益を確保する想定である。
※前期に引き続き、クラウド開発及び自社ブランドによるスマートパチスロ機の開発などに、研究開発費1,300百万円(前期は1,580百万円)、設備投資(無形固定資産を含む)に3,000百万円(前期は2,234百万円)を計画している。
事業別の業績は以下のとおりである。
(1) 情報システム事業
売上高は前期比0.8%増の49,800百万円、セグメント利益は同0.7%減の14,500百万円と過去最高業績となった前期とほぼ同水準を見込んでいる。引き続きスマート遊技機向け設備販売が好調に推移するが、2025年3月期末のスマートパチスロ機の設置割合を60%(前期末は36.4%)、スマートパチンコ機を10%(同4.7%)と想定し、スマート遊技機向けカードユニットの販売台数は約8万台(前期は約10万台)と前期を下回る計画である。ただ、その分は改刷対応需要の本格化によりカバーし、前期並みの業績水準を確保するシナリオだ。
(2) アミューズメント事業
売上高は前期比15.6%増の5,200百万円、セグメント利益は150百万円(前期は390百万円の損失)と増収増益により黒字転換を見込んでいる。これまで開発を進めてきた自社ブランドによるスマートパチスロの市場投入が業績の伸びに寄与する想定である。具体的には、開発中の2機種のうち、1機種のリリースにより2,500台の販売を見込んでいる(年度後半でのリリースを予定)。
2. 弊社の見方
弊社でも、同社の業績予想の前提には合理性があり、十分に達成可能であると見ている。前期と同様、スマート遊技機の設置台数の伸びが同社業績に大きく影響することが予想されるが、同社が描くスマートパチスロ及びスマートパチンコの普及見込み(2025年3月末の設置割合の前提)に無理はない。また、カードユニットの改刷対応特需についても既に大型店を中心に対応が進んでおり、その一部が前期業績(第4四半期)の上振れ要因になったことを勘案すれば、同社の見立てには一定の裏付けがあると言える。一方、「アミューズメント事業」については、市場投入するスマートパチスロ機の販売状況次第と言えそうだが、2,500台の販売計画は実現可能な水準と判断している。むしろ、稼動全体の向上によりパチンコホールの投資余力や投資マインドが高まってきたことを勘案すると、業績のアップサイドとして、1) スマートパチスロの普及が想定を上回ること、2) 保守的に見込んでいるスマートパチンコについても、ラッキートリガー搭載などのヒット機種の登場により想定以上に普及が進むこと、3) 市場投入するスマートパチスロの販売実績が計画を上振れることなどには注意が必要である。最大の関心は、一過性の改刷対応特需がはく落し、スマートパチスロの伸びも設置割合の上昇とともに鈍化してくる2026年3月期以降の業績をどのように向上させるかにある。その意味では、普及が遅れているスマートパチンコの動向や2機種目のリリースを控えているスマートパチスロの販売及び稼動状況、パチンコホール経営を支える次世代サービスの提供に向けたクラウド開発の進捗などについては注目すべきポイントと言える。特に、スマートパチンコの動向については、パチンコ機の復活を唱える業界の声も根強くあることから、今後の業界としての動きにも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SO>
■業績見通し
1. 2025年3月期の業績予想
2025年3月期の業績についてダイコク電機<6430>は、売上高が前期比2.1%増の55,000百万円、営業利益が同3.3%増の12,400百万円、経常利益が同3.3%増の12,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.4%増の8,500百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。
引き続き「情報システム事業」が、スマート遊技機向け設備販売や改刷対応により過去最高売上高を更新する見通しである。「アミューズメント事業」についても、自社ブランドによるスマートパチスロ機の市場投入により増収を見込んでいる。
利益面でも、DX推進や社内体制の整備に向けた費用のほか、積極的な開発投資※を継続するものの、「情報システム事業」の高収益維持と「アミューズメント事業」の黒字化により増益を確保する想定である。
※前期に引き続き、クラウド開発及び自社ブランドによるスマートパチスロ機の開発などに、研究開発費1,300百万円(前期は1,580百万円)、設備投資(無形固定資産を含む)に3,000百万円(前期は2,234百万円)を計画している。
事業別の業績は以下のとおりである。
(1) 情報システム事業
売上高は前期比0.8%増の49,800百万円、セグメント利益は同0.7%減の14,500百万円と過去最高業績となった前期とほぼ同水準を見込んでいる。引き続きスマート遊技機向け設備販売が好調に推移するが、2025年3月期末のスマートパチスロ機の設置割合を60%(前期末は36.4%)、スマートパチンコ機を10%(同4.7%)と想定し、スマート遊技機向けカードユニットの販売台数は約8万台(前期は約10万台)と前期を下回る計画である。ただ、その分は改刷対応需要の本格化によりカバーし、前期並みの業績水準を確保するシナリオだ。
(2) アミューズメント事業
売上高は前期比15.6%増の5,200百万円、セグメント利益は150百万円(前期は390百万円の損失)と増収増益により黒字転換を見込んでいる。これまで開発を進めてきた自社ブランドによるスマートパチスロの市場投入が業績の伸びに寄与する想定である。具体的には、開発中の2機種のうち、1機種のリリースにより2,500台の販売を見込んでいる(年度後半でのリリースを予定)。
2. 弊社の見方
弊社でも、同社の業績予想の前提には合理性があり、十分に達成可能であると見ている。前期と同様、スマート遊技機の設置台数の伸びが同社業績に大きく影響することが予想されるが、同社が描くスマートパチスロ及びスマートパチンコの普及見込み(2025年3月末の設置割合の前提)に無理はない。また、カードユニットの改刷対応特需についても既に大型店を中心に対応が進んでおり、その一部が前期業績(第4四半期)の上振れ要因になったことを勘案すれば、同社の見立てには一定の裏付けがあると言える。一方、「アミューズメント事業」については、市場投入するスマートパチスロ機の販売状況次第と言えそうだが、2,500台の販売計画は実現可能な水準と判断している。むしろ、稼動全体の向上によりパチンコホールの投資余力や投資マインドが高まってきたことを勘案すると、業績のアップサイドとして、1) スマートパチスロの普及が想定を上回ること、2) 保守的に見込んでいるスマートパチンコについても、ラッキートリガー搭載などのヒット機種の登場により想定以上に普及が進むこと、3) 市場投入するスマートパチスロの販売実績が計画を上振れることなどには注意が必要である。最大の関心は、一過性の改刷対応特需がはく落し、スマートパチスロの伸びも設置割合の上昇とともに鈍化してくる2026年3月期以降の業績をどのように向上させるかにある。その意味では、普及が遅れているスマートパチンコの動向や2機種目のリリースを控えているスマートパチスロの販売及び稼動状況、パチンコホール経営を支える次世代サービスの提供に向けたクラウド開発の進捗などについては注目すべきポイントと言える。特に、スマートパチンコの動向については、パチンコ機の復活を唱える業界の声も根強くあることから、今後の業界としての動きにも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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