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IIF Research Memo(1):2024年3月期は増収、大幅増益。既存事業の伸長と業務効率化などにより利益急伸

*15:01JST IIF Research Memo(1):2024年3月期は増収、大幅増益。既存事業の伸長と業務効率化などにより利益急伸
■要約

インターネットインフィニティー<6545>は、リアルとWebの両輪で新たなヘルスケアサービスを展開するヘルスケアソリューション企業である。ヘルスケアソリューション事業では、高齢者の健康寿命※1を延ばすための短時間リハビリ型通所介護サービス(デイサービス)「レコードブック」の運営を行うレコードブック事業、ケアマネジャー※2専用ポータルサイト「ケアマネジメント・オンライン」を通じて構築したケアマネジャーネットワークを活用したシルバーマーケティング支援や仕事と介護の両立支援等を行うWebソリューション事業、福祉用具のレンタル・販売及び住宅リフォームなどを手掛けるアクティブライフ事業を展開している。一方、在宅サービス事業では、在宅高齢者の各種介護保険サービスを提供している。

※1 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間。
※2 介護が必要な人の心身の状況や希望に応じて、適切な介護サービスを利用できるように「ケアプラン」を作成する介護支援専門員。


1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比11.1%増の4,959百万円、営業利益が同139.7%増の230百万円、経常利益が同85.2%増の271百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同286.0%増の130百万円となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の収束に伴い経済社会活動が正常化し、高齢者の外出意欲や健康への関心が高まるなど外部環境が好転するなか、ヘルスケアソリューション事業、在宅サービス事業が揃って増収と好調だった。ヘルスケアソリューション事業では、アクティブライフ事業において2022年10月に連結子会社化した(株)正光技建が売上高の急伸に寄与した。また、Webソリューション事業も、シルバーマーケティング支援をけん引役に各サービスが順調に売上を伸ばした。主力事業の1つであるレコードブック事業は、利用者数が順調に回復する中で稼働率も上昇するなど、事業は順調に推移したものの、一部FC店における契約プランの変更等により、利益に影響のないFC店舗の売上高が減少した。在宅サービス事業では、2022年12月に事業譲受した施設介護事業が売上拡大に寄与した。利益面では、ヘルスケアソリューション事業の一部事業が減益となったが、Webソリューション事業及び在宅サービス事業を中心にしっかりと利益を積み上げた。減収となったレコードブック事業は、稼働率の向上や不採算店舗の整理などにより増益を確保した。なお、従来から進めていた業務の効率化や、前期に発生したM&A費用の剥落などを受け、営業利益以下の各利益が急伸した。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比2.9%増の5,102百万円、営業利益が同54.5%増の355百万円、経常利益が同29.2%増の350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同56.6%増の204百万円を見込んでいる。レコードブック事業、アクティブライフ事業、在宅サービス事業を中心に利益を積み上げる。主力事業の1つであるレコードブック事業は、一部FC店の契約プラン変更などを受け減収予想ではあるものの、月間利用者数が足元で過去最高を更新するなど、事業は順調に進捗している。不採算店舗の整理や稼働率の上昇によって収益力を高め、利益を積み上げる方針だ。その他の各事業も、Webソリューション事業と通所介護を除くすべての事業で増益を見込んでいる。特にアクティブライフ事業は、福祉用具のレンタル事業が引き続き好調に推移し、正光技建も2024年3月期からの様々な構造改革に一定の目処がつき、2025年3月期から利益に寄与する見込みだ。また、在宅サービス事業も順調で、特に訪問介護では新たに開設した船橋市の事業所が増益に寄与する見込みだ。売上高は前期比の増加率から縮小するものの、アクティブライフ、在宅サービス事業をけん引役にしっかりと伸ばす考えだ。

3. 中期的な経営方針
同社は中期的な経営方針として、レコードブック事業をはじめとする既存事業を着実に成長させ、既存事業から生み出したキャッシュを新規事業の創出に重点投資することで、成長スピードを加速させることを掲げている。中期ビジョン「IIF Vision2030 リアル×テクノロジーで『健康な未来』を創造する」のもと、超高齢社会における課題解決を主要ミッションとし、テクノロジーを積極的に活用しながら既存事業の競争力向上、新規事業の創出に注力する。具体的には、AI等を活用したソリューション開発、リアルで蓄積したデータの活用、介護現場のDXを推進する。これにより、既存事業の競争力と収益性を高めるとともに、業績拡大を加速し、企業価値をさらに向上させる。加えて、外部要因に左右されづらい安定収益基盤の構築にも引き続き注力する。自社内で介護保険制度外の新規事業を創出するとともに、シナジーを見込める領域に関してはM&Aを積極的に検討し、収益基盤の多様化を進める考えだ。これらにより、最終年度である2028年3月期には売上高7,395百万円、営業利益980百万円、親会社株主に帰属する当期純利益574百万円、ROE22.0%、売上高営業利益率13.3%の達成を目指す。

■Key Points
・リアルとWebの両輪で新たなヘルスケアサービスを展開するヘルスケアソリューション企業
・2024年3月期は増収、既存事業の伸長とM&A案件が寄与。増収効果や業務効率化などにより、各段階利益が急伸
・2025年3月期も増収、2ケタ増益と好調な業績を見込む
・中期的には既存事業を着実に成長させながら新規事業展開に注力し成長スピードを加速させる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)



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