フィスコニュース


冨士ダイス Research Memo(7):業務効率化、成長分野の新製品開発、グローバル展開を推進(2)

*14:27JST 冨士ダイス Research Memo(7):業務効率化、成長分野の新製品開発、グローバル展開を推進(2)
■冨士ダイス<6167>の中長期の成長戦略

(2) 省資源関連
省資源、環境負荷低減で注目されるのが2022年11月にカタログ収載された希少金属であるタングステン、コバルトの使用量を大幅削減し、鋼より軽量で超硬合金に迫る硬さと靭性を実現した省タングステン・コバルト合金(サステロイST60)の開発である。具体的には超硬合金では比重が大きいため、適用が困難とされている回転工具分野(粉砕回転刃、ハンマー)への展開が期待される。モータの負荷軽減による電力削減や、回転数の増加による生産性向上が見込めるため、混錬機用のスクリューなど、高硬度で耐久性が求められ、かつ軽量である点が評価され、顧客によるテストが進み、2024年月期より販売を開始している。なお同合金はモノづくり日本会議/日刊工業新聞社主催の「2023年超モノづくり部品大賞」において「奨励賞」を受賞している。今後の展開としては、市場のニーズをとらえ、ラインナップを増やすことを検討している。また同合金は米中摩擦、ロシア問題などで、タングステン、コバルトなどのレアメタル供給リスクの高まるなか、同社の事業継続を確実なものとする手段になる可能性も秘めている。

(3) 次世代エネルギー関連
次世代エネルギー関連では水の電気分解用触媒を開発している。本触媒は、従来の貴金属触媒に対し、安価かつ調達性の高い金属を利用し、水素発生装置への展開が見込まれる。また、CO2の還元用触媒や二次電池用触媒の開発も並行して進めている。この分野は様々な企業や研究機関も開発を行っており、同社の粉末冶金技術や高圧合成技術がカギとなろう。

3. 新事業の確立
同社は100年企業を目指し、新規事業の専門組織を2024年7月に立上げ、新事業シーズの事業化を促進することとした。同社は今までも中長期の成長基盤の創出として、プロジェクトチームによる新事業の検討を進めてきたが、その活動を引き継ぎ、恒常的に新事業シーズの探索、事業化検討が可能な体制を構築する。当該組織においては、新たな事業の柱となる新規事業の実現や事業創出サイクルの短縮化に取り組むとともに、新規事業の早期実現に向けて、M&A、業務提携の検討についても積極的にも行うとしている。

4. 海外事業の強化
同社は前中期経営計画においても海外事業の強化を重点施策に挙げていたものの、必ずしも計画通りの推移にはならず、2024年3月期の海外売上比率は目標の20%超に対し、18.7%に止まった。今回新中期経営計画を策定するにあたり、成長を牽引するのは海外事業と位置づけ、2027年3月期には売上高比率25%以上を目標として掲げた。アジアを中心とした海外売上高の拡大について、子会社、輸出の両輪で売上拡大を目指す。2023年7月に海外事業本部を設立、担当役員を擁立し海外事業の強化を実行、2024年2月に中国の東莞に営業拠点を設けた。今後、インド拠点の再開、電池・モーターコア金型向けに米国展開も見据え拠点設置も視野に入れている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)



<SO>



 
【重要】株予報/株予報Proを装った偽サイト、偽アカウント、偽広告にご注意ください

株予報/株予報Pro等の当社サービスを装ったり、当社の名を騙った偽サイト、偽アカウント、偽広告が確認されております。

偽サイト及び偽アカウントは、不正サイトへの誘導、個人情報の取得及び悪用、投資詐欺に遭う可能性がございますのでアクセスされないようにご注意ください。

当社では投資勧誘は行っておりません。LINEなどのSNSを利用した投資詐欺にご注意ください。

株予報 トレンドシグナル ®

2024/11/22 15:00 現在

(更新タイミング:翌営業日8時頃)

買い   1,606 銘柄
1,350 銘柄   売り
 
 
 
7203 トヨタ自動車 買い転換
9433 KDDI 買い転換
8031 三井物産 買い転換
2914 日本たばこ産業 買い転換
7267 本田技研工業 買い転換



注目コラムランキング

 
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社アイフィスジャパンは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社アイフィスジャパン及び情報提供者に帰属します。 TOPIX及び東証業種別株価指数の指数値及びそれらに係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社の知的財産です。 本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。
IFIS