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オーバル Research Memo(4):高い安全性を確保
2024/07/17 14:44
*14:44JST オーバル Research Memo(4):高い安全性を確保
■オーバル<7727>の業績動向
2. 財務状況と経営指標
2024年3月期の資産合計は、23,451百万円(前期末比1,085百万円増)となった。このうち、流動資産は12,634百万円(同1,099百万円増)であった。これは、主に受取手形が96百万円、売掛金が252百万円減少した一方、現金及び預金が201百万円、電子記録債権が343百万円、契約資産が219百万円、棚卸資産が652百万円それぞれ増加したことによる。棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計)の増加は、半導体不足に伴い電子部品の入手が困難になるなど、材料不足のなかで同社製品の納期維持のため在庫を増やしたためであり、こうした取り組みによって納期遅延を発生させなかった。また、固定資産は10,816百万円(同13百万円減)であった。これは主に、建物及び構築物が72百万円、投資有価証券が70百万円、長期前払費用が88百万円それぞれ増加した一方、機械装置及び運搬具、ソフトウェア、のれんが減価償却等により197百万円、繰延税金資産が55百万円、保険積立金が55百万円それぞれ減少したことによる。
一方、負債合計は8,086百万円(前期末比3百万円増)となった。このうち、流動負債は4,315百万円(同322百万円増)であった。これは主に、短期借入金が103百万円減少した一方、未払金が390百万円、賞与引当金が69百万円それぞれ増加したことによる。また、固定負債は3,771百万円(同318百万円減)であった。これは主に、長期借入金が206百万円、退職給付に係る負債が51百万円それぞれ減少したことによる。長期・短期を合計した借入金は、1,817百万円(同309百万円減)であった。また、純資産合計は、15,364百万円(同1,082百万円増)となった。これは主に、利益剰余金が833百万円、為替換算調整勘定が119百万円それぞれ増加したことによる。
以上の結果、自己資本比率は63.6%に上昇し、最新データである2023年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均の55.7%を上回る高い安全性を確保していると評価できる。一方、ROAは4.8%、ROEは7.7%で、収益性指標では業界平均を下回っており、今後の収益力強化が課題と言える。
当期末における現金及び現金同等物は3,197百万円(前期末比234百万円増)であった。営業活動の結果得られた資金は1,002百万円であった。これは、売上債権及び契約資産の増加や、棚卸資産の増加により資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益や減価償却費により資金が増加したためである。また、投資活動の結果支出した資金は172百万円であった。これは、定期預金の払戻による収入で資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出や定期預金の預入による支出により資金が減少したためだ。さらに、財務活動の結果支出した資金は683百万円であった。これは、長期借入による収入で資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出や配当金の支払いにより資金が減少したためだ。以上から、同社が自由に使うことができる現金であるフリー・キャッシュ・フローは、前期の237百万円から830百万円に大きく増加している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<SO>
■オーバル<7727>の業績動向
2. 財務状況と経営指標
2024年3月期の資産合計は、23,451百万円(前期末比1,085百万円増)となった。このうち、流動資産は12,634百万円(同1,099百万円増)であった。これは、主に受取手形が96百万円、売掛金が252百万円減少した一方、現金及び預金が201百万円、電子記録債権が343百万円、契約資産が219百万円、棚卸資産が652百万円それぞれ増加したことによる。棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計)の増加は、半導体不足に伴い電子部品の入手が困難になるなど、材料不足のなかで同社製品の納期維持のため在庫を増やしたためであり、こうした取り組みによって納期遅延を発生させなかった。また、固定資産は10,816百万円(同13百万円減)であった。これは主に、建物及び構築物が72百万円、投資有価証券が70百万円、長期前払費用が88百万円それぞれ増加した一方、機械装置及び運搬具、ソフトウェア、のれんが減価償却等により197百万円、繰延税金資産が55百万円、保険積立金が55百万円それぞれ減少したことによる。
一方、負債合計は8,086百万円(前期末比3百万円増)となった。このうち、流動負債は4,315百万円(同322百万円増)であった。これは主に、短期借入金が103百万円減少した一方、未払金が390百万円、賞与引当金が69百万円それぞれ増加したことによる。また、固定負債は3,771百万円(同318百万円減)であった。これは主に、長期借入金が206百万円、退職給付に係る負債が51百万円それぞれ減少したことによる。長期・短期を合計した借入金は、1,817百万円(同309百万円減)であった。また、純資産合計は、15,364百万円(同1,082百万円増)となった。これは主に、利益剰余金が833百万円、為替換算調整勘定が119百万円それぞれ増加したことによる。
以上の結果、自己資本比率は63.6%に上昇し、最新データである2023年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均の55.7%を上回る高い安全性を確保していると評価できる。一方、ROAは4.8%、ROEは7.7%で、収益性指標では業界平均を下回っており、今後の収益力強化が課題と言える。
当期末における現金及び現金同等物は3,197百万円(前期末比234百万円増)であった。営業活動の結果得られた資金は1,002百万円であった。これは、売上債権及び契約資産の増加や、棚卸資産の増加により資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益や減価償却費により資金が増加したためである。また、投資活動の結果支出した資金は172百万円であった。これは、定期預金の払戻による収入で資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出や定期預金の預入による支出により資金が減少したためだ。さらに、財務活動の結果支出した資金は683百万円であった。これは、長期借入による収入で資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出や配当金の支払いにより資金が減少したためだ。以上から、同社が自由に使うことができる現金であるフリー・キャッシュ・フローは、前期の237百万円から830百万円に大きく増加している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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