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明豊ファシリ Research Memo(1):難度が高まる建設プロジェクトにおいて同社CMサービスの引き合いが活発化

*14:21JST 明豊ファシリ Research Memo(1):難度が高まる建設プロジェクトにおいて同社CMサービスの引き合いが活発化
■要約

明豊ファシリティワークス<1717>は、建築に関して技術的な中立性を保ちつつ、発注者側に立って基本計画作成や工事発注方式の検討、競争入札、品質・工程・コストの管理などを行うコンストラクション・マネジメント(以下、CM)事業(発注者支援事業)を展開する。DX化の推進によりプロジェクトのすべてのプロセスを可視化し、「フェアネス」と「透明性」を保ちながら高い専門性と提案力に裏打ちされた「高品質なマネジメントサービスの提供」「プロジェクトの早期立ち上げ支援」を行うことで、顧客から高い信頼を得て成長し続けている会社だ。

1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高で前期比10.6%増の5,266百万円、経常利益で同11.4%増の1,070百万円といずれも期初計画(売上高4,800百万円、経常利益970百万円)を上回り、売上高は3期連続の増収、経常利益は2期連続で過去最高を更新した。建築コストの上昇や脱炭素化の要素を取り入れた建設プロジェクトが一般化し、建設投資の難度が高まるなかで、同社の高品質なCMサービスに対する引き合いが既存顧客だけでなく新規顧客からも活発化した。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業※についても、多拠点施設の維持保全・改修プロジェクトを効率的に推進するための情報一元管理システム「MPS」の利用が民間、公共分野ともに増加し、売上高で同101.9%増の363百万円と急成長するなど増益に貢献した。

※DX支援事業では、自社で20年の活用実績を持ち、個人のアクティビティを可視化・定量化し、気づきの確認、一人ひとり及び組織での生産性や働き方向上を支援するマンアワーシステム「Meiho Activity Management System(以下、「MeihoAMS」)」と、建設プロジェクト管理情報や多拠点施設の維持保全に関する情報の可視化・データベース化により、効率的なプロジェクトの推進や計画的な維持保全等を実現する情報一元管理システム「Meiho Project Management System(以下、「MPS」)の2つのシステムを提供している。


2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高で前期比0.6%増の5,300百万円、経常利益で同1.8%増の1,090百万円を計画している。民間企業による建設投資が金利の先行き不透明感から慎重になるとの保守的な想定のもと、堅実な計画とした。前期は他社との共同提案による一部再委託分を売上高と売上原価に64百万円計上したため、実質の増収率は1.9%、約100百万円の増収となる。ただ、建設コストの上昇や脱炭素化の取り組みなど、建設プロジェクトの難度が上昇するなかで、DXも活用した同社の付加価値の高いCMサービスに対する引き合いが依然活発なことから、会社計画に対して上振れの余地があると弊社では見ている。

3. 企業価値向上に向けた取り組みと株主還元策について
同社は「フェアネス・透明性」を軸に、発注者にとって常に価値のある意思決定プロセスを提供し、DXも進めながら唯一無二の立ち位置で発注者支援事業を推進することで企業価値の向上を図り、10年先を見据えた新たなニーズの創造に取り組む。具体的には、社会の変化とともにCMサービスを進化させ、サービスの価値向上を追求し、顧客と持続的な関係の構築による経営基盤の安定化に加え、CMのノウハウにDXを掛け合わせた新たな価値創造に着手し、発注者にとってより効率的で価値のある意思決定プロセスへの変革に取り組む。成長の源泉となる人的資本の強化も重要な課題として捉え、人材採用や育成にも注力する。なお、配当方針は配当性向55%程度を目安としており、2024年3月期は1株当たり配当金で37.5円(配当性向54.9%)と11期連続の増配を実施した。2025年3月期も同方針に基づき同0.5円増配となる38.0円(同55.3%)を予定している。また、2026年3月期までは期間業績が損失計上となった場合を除いて、1株当たり配当金の下限を38.0円以上とすることも公表している。2026年3月期以降についても、毎年5月頃に一年程度延長したいと、併せて公表している。

■Key Points
・2024年3月期は会社計画を上回る増収増益を達成、各利益段階で過去最高を更新
・公共、民間ともCMサービスの引き合いは旺盛で、2025年3月期も上振れ余地あり
・DXの活用も含めたCMサービスの価値向上と人的資本の強化により、社会還元に取り組むとともに持続的成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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