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アップル Research Memo(9):変化の速い海外で先進的な取り組みを試みる(3)
2024/05/27 16:09
*16:09JST アップル Research Memo(9):変化の速い海外で先進的な取り組みを試みる(3)
■中長期の成長戦略
2. アップルインターナショナル<2788>の成長戦略
(1) 中古車輸出事業
タイなど東南アジア市場において、日本製中古車は顧客ニーズを十分には満たしていない。日本国内で人気車種の品不足が解消されておらず、車の2個目のスマートキーの支給が遅れ、ボディキットなどの純正品パーツも高額なうえ欠品が生じている。トヨタ自動車は、2023年6月に高級ミニバン「アルファード」「ヴェルファイア」の新型車を8年ぶりに発売した。価格は、アルファードが540万~872万円、ヴェルファイアが655万~892万円に設定されている。月間販売目標が8,500台とされているが、各ディーラーの顧客への配車枠が限られている。納期はディーラーによってばらつきがあるが、自動車雑誌によると最短12ヶ月である。口コミに上がっている納車優先条件はディーラーよって異なるが、納車は抽選、既存の顧客優先、アルファード/ヴェルファイアの下取り車がある場合を優先、メンテナンスパック付きや転売防止誓約書の提出が必要などである。生産枠の抽選が終了したとして、新規受注をストップしているディーラーもいる。スマートキー(電子キー+メカニカルキー)は、通常、納車時に2個納品される。トヨタ自動車は、半導体不足を理由に2023年10月生産のアルファード、ウェルファイアを含む10車種に対し、2024年2月からようやく2個目のスマートキーの引き渡しを始めた。アルファードのエアロパーツは塗装済が36.8万円と高価だが、欠品が生じている。
タイでは、アルファードのような高級ミニバンはショーファードリブン、お抱え運転手が運転することが想定されている。時にはオーナー自身が運転することもあり、スマートキーが1個では車両の運用に支障を来す。同社は、独自にスマートキーを開発し、中古車販売時に2つのスマートキーを納入できるようにした。エアロパーツに関しては、パーツメーカーと3種類のコラボ商品を開発し、前述した2024年のバンコク国際モーターショーに出品する予定だ。その他にも、タイ向けにGPS内臓のドライブレコーダーを開発している。車両のコネクテッド機能のデータ更新サービスも行う。コラボ商品は随時発表する予定だ。このような施策を通じて、現地の顧客ニーズを充足することで、安定した業績を上げる計画でいる。
(2) タイにおけるオートオークション事業
タイ・バンコクの基幹オークション会場は、収容能力を1.5倍に拡張する工事をしている。タイ全土の加盟1,200店で画一化された鑑定を実施して、オークション出品へと導く。AI技術の活用では、車両の上下から全体撮影した画像をAIで評価査定し、データベースのオークション価格と照らし合わせる。現在は、結果を人間が再チェックしているが、2024年3月以降にAI査定システムの試験的導入を始める予定だ。
(3) オートオークション事業の海外展開
システム開発に従事するタイ人の技術者は英語が堪能なため、同システムを近隣諸国に横展開する際に従事できる。また、開発費用をタイ一国だけでなく、新たな進出国とシェアできるため新規市場開拓の参入障壁が下がる。タイにおいてシステムが完成しているため、立上げ費用や期間も勘案でき、現地パートナー候補企業との交渉もしやすい。これらのことから、同社はタイで完成された事業パッケージを、近隣諸国へ横展開することで事業拡大を目指している。
(4) 国内市場における中古品買い取り事業
少子高齢化と人口減少が進む日本は市場規模の縮小傾向が続くと予想されていることから、同社は5~10年先の業界の変化を見越し、新たなビジネスモデルの構築に着手した。シェアリングエコノミーにより自動車の「所有」から「利用」へ移行することを捉えて、中古車買取販売事業でカーシェア、カーリース、レンタカー事業に参入した。新たにブランド品の買い取りサービスを始めた。中古車買取販売事業の店舗網を活用する。取り扱い商品を拡大することで、アップル店舗への導線を増やす。リユースビジネスを通じて、持続可能な縦貫型社会の実現に貢献する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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■中長期の成長戦略
2. アップルインターナショナル<2788>の成長戦略
(1) 中古車輸出事業
タイなど東南アジア市場において、日本製中古車は顧客ニーズを十分には満たしていない。日本国内で人気車種の品不足が解消されておらず、車の2個目のスマートキーの支給が遅れ、ボディキットなどの純正品パーツも高額なうえ欠品が生じている。トヨタ自動車は、2023年6月に高級ミニバン「アルファード」「ヴェルファイア」の新型車を8年ぶりに発売した。価格は、アルファードが540万~872万円、ヴェルファイアが655万~892万円に設定されている。月間販売目標が8,500台とされているが、各ディーラーの顧客への配車枠が限られている。納期はディーラーによってばらつきがあるが、自動車雑誌によると最短12ヶ月である。口コミに上がっている納車優先条件はディーラーよって異なるが、納車は抽選、既存の顧客優先、アルファード/ヴェルファイアの下取り車がある場合を優先、メンテナンスパック付きや転売防止誓約書の提出が必要などである。生産枠の抽選が終了したとして、新規受注をストップしているディーラーもいる。スマートキー(電子キー+メカニカルキー)は、通常、納車時に2個納品される。トヨタ自動車は、半導体不足を理由に2023年10月生産のアルファード、ウェルファイアを含む10車種に対し、2024年2月からようやく2個目のスマートキーの引き渡しを始めた。アルファードのエアロパーツは塗装済が36.8万円と高価だが、欠品が生じている。
タイでは、アルファードのような高級ミニバンはショーファードリブン、お抱え運転手が運転することが想定されている。時にはオーナー自身が運転することもあり、スマートキーが1個では車両の運用に支障を来す。同社は、独自にスマートキーを開発し、中古車販売時に2つのスマートキーを納入できるようにした。エアロパーツに関しては、パーツメーカーと3種類のコラボ商品を開発し、前述した2024年のバンコク国際モーターショーに出品する予定だ。その他にも、タイ向けにGPS内臓のドライブレコーダーを開発している。車両のコネクテッド機能のデータ更新サービスも行う。コラボ商品は随時発表する予定だ。このような施策を通じて、現地の顧客ニーズを充足することで、安定した業績を上げる計画でいる。
(2) タイにおけるオートオークション事業
タイ・バンコクの基幹オークション会場は、収容能力を1.5倍に拡張する工事をしている。タイ全土の加盟1,200店で画一化された鑑定を実施して、オークション出品へと導く。AI技術の活用では、車両の上下から全体撮影した画像をAIで評価査定し、データベースのオークション価格と照らし合わせる。現在は、結果を人間が再チェックしているが、2024年3月以降にAI査定システムの試験的導入を始める予定だ。
(3) オートオークション事業の海外展開
システム開発に従事するタイ人の技術者は英語が堪能なため、同システムを近隣諸国に横展開する際に従事できる。また、開発費用をタイ一国だけでなく、新たな進出国とシェアできるため新規市場開拓の参入障壁が下がる。タイにおいてシステムが完成しているため、立上げ費用や期間も勘案でき、現地パートナー候補企業との交渉もしやすい。これらのことから、同社はタイで完成された事業パッケージを、近隣諸国へ横展開することで事業拡大を目指している。
(4) 国内市場における中古品買い取り事業
少子高齢化と人口減少が進む日本は市場規模の縮小傾向が続くと予想されていることから、同社は5~10年先の業界の変化を見越し、新たなビジネスモデルの構築に着手した。シェアリングエコノミーにより自動車の「所有」から「利用」へ移行することを捉えて、中古車買取販売事業でカーシェア、カーリース、レンタカー事業に参入した。新たにブランド品の買い取りサービスを始めた。中古車買取販売事業の店舗網を活用する。取り扱い商品を拡大することで、アップル店舗への導線を増やす。リユースビジネスを通じて、持続可能な縦貫型社会の実現に貢献する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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