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石破続投で円安回避【フィスコ・コラム】

*09:00JST 石破続投で円安回避【フィスコ・コラム】
参院選の大敗を受け、自民党内では石破首相(党総裁)への退陣を求める声が強まっています。しかし、財政規律を考慮した政策運営への期待感から、政権存続の可能性の高まりで円高に振れる場面が目立ちます。ドル1強に向かうなか、円安を避けられるでしょうか。


ドル・円相場は7月下旬から上昇基調を強めており、145円台から1週間で約5円値上がりし心理的節目の150円を上抜けました。米トランプ政権の高関税政策で国内のインフレ圧力が意識され、米連邦公開市場委員会(FOMC)での緩和的な政策方針の後退でドル買いに振れやすい状況です。また、日銀の追加利上げが遠のいたことに加え、ユーロ圏経済の不透明感によるユーロ売りなどもドル高要因になっています。


円の動向は政局も加味されているようです。先の参院選で自民・公明の連立与党は衆院に続き少数与党に転落したとはいえ、野党の一部と協力すれば政策運営は可能。選挙前には野党の躍進により財政規律を遵守できなくなるとの見方から債券安・円安が進行したものの、選挙結果を受けその流れは一服。ところが、自民党内での「石破降ろし」本格化で財政悪化を懸念した債券売り・円売りがドルを押し上げているようです。


石破氏辞任で9月に党総裁選という想定なら、昨年の総裁選で決戦投票まで勝ち進んだ高市元経済安全保障担当相が後任の最有力候補に挙げられそうです。が、安倍元首相の支持グループは急速に弱体化しており、党内の支持基盤を見るとそのシナリオには無理があります。仮に他の候補者が選出されたとしても、参院選の惨敗により衆院解散に踏み切れず、低空飛行のまま不安定な政権運営にならざるを得ないでしょう。


野党が減税や現金給付を政策手段に掲げるのは、弱者救済という政治の役割を果たそうとしているのであって、ポピュリズムとの批判は近視眼的です。財政規律ばかりに目を向けるのでは、経済団体や中央官庁の増税方針を正当化するだけです。しかし、石破氏は首相就任以来、左派寄りの主張を弱め、成長軌道と市場とのバランスを重視。同様に、党内でも派閥間、世代間の均衡を図っているように見えます。


直近の支持率調査で石破氏は20%と、チェコのフィアラ首相、フランスのマクロン大統領に次ぐ世界ワースト3位。米トランプ政権の不確実な政策運営により方向感を見出しにくい日本の現状では、消去法的でも石破氏続投が最も現実的との見方が過度な円売りを抑制している、と言えそうです。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

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