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6月のくりっく365、ドル・円は神経質な展開、南アフリカランド・円はじり高か
2025/06/12 11:38
*11:38JST 6月のくりっく365、ドル・円は神経質な展開、南アフリカランド・円はじり高か
東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、5月の取引数量が前月比36.8%減の143万2313枚、1日の平均取引数量は6万5105枚と前月比で減少した。5月末時点の証拠金預託額は5296.46億円と前月比で17.28億円減少した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、トルコリラ、豪ドル、英ポンドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、5月の取引数量が前月比57.9%減の319万3973枚、1日の平均取引数量は14万5270枚と前月比で大幅に減少した。月末時点の証拠金預託額は923.20億円となり、前月比で6.88億円の増加となった。
取引数量トップは米ドル・円で58万6110枚(前月比32.1%減)であった。5月8日に発表された米英貿易協定合意や、12日に米国と中国が関税引き下げで合意したことをきっかけにトランプ関税政策への過度な警戒感が後退。ドル・円は一時1ドル=148円半ばまで上昇した。ただ、14日に米韓が通貨政策を協議したとの報道を材料に韓国ウォンが対米ドルで急騰し、ドル・円相場にも影響が波及。月後半は再び円買い・ドル売りが強まる地合いとなった。米国で関税が違法と判断されたことで一時的に円売り・ドル買いへ転じる場面はあったものの、米国の財政不安などを背景にドル買いが控えられる地合いが続いた。
メキシコペソ・円は16万1432枚(前月比26.2%減)であった。5月15日にメキシコ銀行(中央銀行)は7会合連続となる利下げを決定し、足元のペソ高の流れは一旦歯止めがかかる形となった。利下げ幅は2月、3月に続き50bpだった。中銀は今後の会合でも利下げを検討する可能性が示唆しており、6月会合でも50bpの大幅利下げを行うとの見方がある一方で、4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.93%上昇と中央銀行の目標レンジ(3%±1%)に収まったとはいえ予断を許さない状況だったため、トランプ関税による影響から利下げサイクル継続が難しくなる可能性を指摘する声も聞かれ、ペソ・円は下げ渋った。
6月のドル・円は神経質な展開か。引き続きトランプ関税を巡る動きに関心が集まり、不透明感が払拭されるまではドルの買いづらい状況が続くとみる。また、米国の財政不安から長期金利上昇がドル安要因となっており、ドル・円は上がりづらいだろう。月半ばに主要7カ国首脳会議(G7)や日米の金融政策決定会合を控えているため、ドルの買い戻しを強める局面となるかどうか注目となりそうだ。南アフリカランド・円はじり高か。5月29日に南アフリカ準備銀行(中央銀行)は25bpの利下げを決定し、足元のランド高基調は一服した。インフレ見通しを下方修正しており、金融緩和への慎重姿勢を弱めたことはランド売り材料となろう。ただ、下落が見込まれるドルやユーロを調達通貨とする新興国通貨のキャリートレード人気が再燃しており、ランドが買われる状況は続く可能性がある。
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東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、5月の取引数量が前月比36.8%減の143万2313枚、1日の平均取引数量は6万5105枚と前月比で減少した。5月末時点の証拠金預託額は5296.46億円と前月比で17.28億円減少した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、トルコリラ、豪ドル、英ポンドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、5月の取引数量が前月比57.9%減の319万3973枚、1日の平均取引数量は14万5270枚と前月比で大幅に減少した。月末時点の証拠金預託額は923.20億円となり、前月比で6.88億円の増加となった。
取引数量トップは米ドル・円で58万6110枚(前月比32.1%減)であった。5月8日に発表された米英貿易協定合意や、12日に米国と中国が関税引き下げで合意したことをきっかけにトランプ関税政策への過度な警戒感が後退。ドル・円は一時1ドル=148円半ばまで上昇した。ただ、14日に米韓が通貨政策を協議したとの報道を材料に韓国ウォンが対米ドルで急騰し、ドル・円相場にも影響が波及。月後半は再び円買い・ドル売りが強まる地合いとなった。米国で関税が違法と判断されたことで一時的に円売り・ドル買いへ転じる場面はあったものの、米国の財政不安などを背景にドル買いが控えられる地合いが続いた。
メキシコペソ・円は16万1432枚(前月比26.2%減)であった。5月15日にメキシコ銀行(中央銀行)は7会合連続となる利下げを決定し、足元のペソ高の流れは一旦歯止めがかかる形となった。利下げ幅は2月、3月に続き50bpだった。中銀は今後の会合でも利下げを検討する可能性が示唆しており、6月会合でも50bpの大幅利下げを行うとの見方がある一方で、4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.93%上昇と中央銀行の目標レンジ(3%±1%)に収まったとはいえ予断を許さない状況だったため、トランプ関税による影響から利下げサイクル継続が難しくなる可能性を指摘する声も聞かれ、ペソ・円は下げ渋った。
6月のドル・円は神経質な展開か。引き続きトランプ関税を巡る動きに関心が集まり、不透明感が払拭されるまではドルの買いづらい状況が続くとみる。また、米国の財政不安から長期金利上昇がドル安要因となっており、ドル・円は上がりづらいだろう。月半ばに主要7カ国首脳会議(G7)や日米の金融政策決定会合を控えているため、ドルの買い戻しを強める局面となるかどうか注目となりそうだ。南アフリカランド・円はじり高か。5月29日に南アフリカ準備銀行(中央銀行)は25bpの利下げを決定し、足元のランド高基調は一服した。インフレ見通しを下方修正しており、金融緩和への慎重姿勢を弱めたことはランド売り材料となろう。ただ、下落が見込まれるドルやユーロを調達通貨とする新興国通貨のキャリートレード人気が再燃しており、ランドが買われる状況は続く可能性がある。
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