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KaizenPF Research Memo(12):当面は内部留保の充実図る
2024/09/17 16:12
*16:12JST KaizenPF Research Memo(12):当面は内部留保の充実図る
■Kaizen Platform<4170>の成長戦略
4. 株主還元策
株主還元については、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の1つとして位置付けているが、創業して間もないことから、財務体質強化や事業拡大のための内部留保の充実等を図り、事業拡大のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため創業以来配当は実施しておらず、今後も当面の間は内部留保の充実を図る方針としている。また、将来的には株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針だが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定としている。
サステナビリティ経営
5. サステナビリティ経営
同社はサステナビリティ経営についてマテリアリティを公表していないが、DX支援の事業を通じてペーパーレス推進やCO2削減などの社会課題解決に貢献する方針としている。
また同社は事業展開において、昨今重要性を増しているアクセシビリティ(accessibility=利用しやすさ)向上推進も重視している。デジタル庁が掲げる「人にやさしいデジタル社会の実現」やSDGsの流れも相まって、これまで国や自治体のみが義務化されていたWebサイト等のアクセシビリティへの合理的配慮が、2021年6月の障害者差別解消法の改正によって民間事業者でも義務化され、公布から3年以内に対応が求められるようになった。現在推計170万以上の企業ホームページのうち、Webアクセシビリティに関するJIS規格を満たしている企業の割合は僅か4.6%に過ぎず、今後95%以上の企業のWebアクセシビリティ対応が急務となることが予想されている。
しかしDX対応と同様に、ここでも多くの企業にとってリソースの壁(ノウハウや人材の不足)が課題となっていることに対応して、同社は2022年1月に、アクセシビリティに関して豊富なノウハウを持つ子会社ディーゼロとともに、アクセシビリティ専門エンジニアやWebサイト改善専門家をグループ内に持つ強みを生かして、より多くの企業のWebアクセシビリティ向上に向けて、課題の抽出、レポートによる診断、必要に応じた課題の改修までトータルに支援するサービスの提供を開始した。また2024年6月にはディーゼロがアクセシビリティに関して、制作者のためのコーディングガイドラインを公開した。これを皮切りとして、アクセシビリティに取り組む制作者のためのポータル「Poryally(ポータリー)」上において、Web制作を行う全ての制作者が利用できる様々な環境やツールを順次提供していくことで、誰一人取り残さないウェブの実現を支援する方針である。
ARPU向上の進捗状況に注目
6. アナリストの視点
同社はグロースハッカーネットワークを活用した独自のビジネスモデルを特徴・強みとしている。現在は成長に向けた先行投資段階のため利益が低水準だが、成長戦略として事業環境の変化に対応しながら、グループシナジーやクロスセル・アップセル戦略により、大企業向け中心にリカーリング売上拡大とARPU向上を加速させる方針だ。この戦略によって同社の収益力が飛躍的に高まる可能性があり、弊社では同社の中長期成長ポテンシャルを評価している。直近の業績で見ると、2022年12月期から2023年12月期上期にかけてはクライアントポートフォリオ戦略転換の影響で一時的に伸び悩む形となったが、2023年12月期下期以降は営業損益が改善基調となっている。したがって引き続きARPU向上の進捗状況に注目したいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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■Kaizen Platform<4170>の成長戦略
4. 株主還元策
株主還元については、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の1つとして位置付けているが、創業して間もないことから、財務体質強化や事業拡大のための内部留保の充実等を図り、事業拡大のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため創業以来配当は実施しておらず、今後も当面の間は内部留保の充実を図る方針としている。また、将来的には株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針だが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定としている。
サステナビリティ経営
5. サステナビリティ経営
同社はサステナビリティ経営についてマテリアリティを公表していないが、DX支援の事業を通じてペーパーレス推進やCO2削減などの社会課題解決に貢献する方針としている。
また同社は事業展開において、昨今重要性を増しているアクセシビリティ(accessibility=利用しやすさ)向上推進も重視している。デジタル庁が掲げる「人にやさしいデジタル社会の実現」やSDGsの流れも相まって、これまで国や自治体のみが義務化されていたWebサイト等のアクセシビリティへの合理的配慮が、2021年6月の障害者差別解消法の改正によって民間事業者でも義務化され、公布から3年以内に対応が求められるようになった。現在推計170万以上の企業ホームページのうち、Webアクセシビリティに関するJIS規格を満たしている企業の割合は僅か4.6%に過ぎず、今後95%以上の企業のWebアクセシビリティ対応が急務となることが予想されている。
しかしDX対応と同様に、ここでも多くの企業にとってリソースの壁(ノウハウや人材の不足)が課題となっていることに対応して、同社は2022年1月に、アクセシビリティに関して豊富なノウハウを持つ子会社ディーゼロとともに、アクセシビリティ専門エンジニアやWebサイト改善専門家をグループ内に持つ強みを生かして、より多くの企業のWebアクセシビリティ向上に向けて、課題の抽出、レポートによる診断、必要に応じた課題の改修までトータルに支援するサービスの提供を開始した。また2024年6月にはディーゼロがアクセシビリティに関して、制作者のためのコーディングガイドラインを公開した。これを皮切りとして、アクセシビリティに取り組む制作者のためのポータル「Poryally(ポータリー)」上において、Web制作を行う全ての制作者が利用できる様々な環境やツールを順次提供していくことで、誰一人取り残さないウェブの実現を支援する方針である。
ARPU向上の進捗状況に注目
6. アナリストの視点
同社はグロースハッカーネットワークを活用した独自のビジネスモデルを特徴・強みとしている。現在は成長に向けた先行投資段階のため利益が低水準だが、成長戦略として事業環境の変化に対応しながら、グループシナジーやクロスセル・アップセル戦略により、大企業向け中心にリカーリング売上拡大とARPU向上を加速させる方針だ。この戦略によって同社の収益力が飛躍的に高まる可能性があり、弊社では同社の中長期成長ポテンシャルを評価している。直近の業績で見ると、2022年12月期から2023年12月期上期にかけてはクライアントポートフォリオ戦略転換の影響で一時的に伸び悩む形となったが、2023年12月期下期以降は営業損益が改善基調となっている。したがって引き続きARPU向上の進捗状況に注目したいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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