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オープンドア Research Memo(8):今後、潜在的な海外旅行需要が一気に顕在化する可能性も
2024/07/09 14:08
*14:08JST オープンドア Research Memo(8):今後、潜在的な海外旅行需要が一気に顕在化する可能性も
■今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績見通しについては、日本人のレジャー旅行市場の回復ペースは、国内は停滞、海外は緩やかな回復をオープンドア<3926>では見込んでいるが、旅行費用の高止まりや円安などのマクロ要因の影響による変動幅が大きいことに加え、状況によってマスプロモーション施策も流動的であることから、精度の高い予測が困難なため現時点では未定とし、合理的な予測が可能となった時点で公表するとしている。同社のビジネスモデルは相対的に損益分岐点が低く、限界利益率が高いことが予想されることから、旅行需要の回復に伴い売上も回復してくれば、業績が大きく改善することも期待される。コロナ禍の収束に伴い、旅行需要の回復とともに同社業績も改善基調が続くと見られるが、円安による海外旅行費用の高止まり、インフレによる航空運賃の上昇、航空座席数の不足などにより海外旅行の回復は緩慢なペースに留まる可能性があるリスクに留意する必要もあるだろう。なお、同社では市場状況も見ながら、プロモーション施策についてテレビCMやネット広告など柔軟に検討したいとしており、旅行需要の回復ペース次第では2024年3月期と同様にプロモーション費用が増加する可能性もあるだろう。
2. 重点施策
同社では、不確実な要素が多く2025年3月期の業績予測は困難だが、国内旅行需要は今後も継続的な回復、海外旅行需要は為替やインフレなど外部環境次第ではあるもの、緩やかな回復基調が継続すると予想している。このような状況において同社は、強固な財務基盤に加え旅行需要に比例した業績回復を見越して開発投資をさらに進め、サービスの拡充及び競争力の強化を図るため、引き続きエンジニアなど開発部門の強化にリソースを割く方針だ。多くの競合他社がシステム開発を外注しているのに対し、同社ではほぼすべてのシステムを内製で開発しているため、市場トレンドに合わせながら柔軟かつ効率的な開発環境を整えられることから、旅行需要の回復に合わせて機動的にサービスを開発・展開していく。また、コロナ禍で抑制気味としていた広告宣伝費についても2024年3月期はテレビCMを打つなど市場の回復に合わせて認知度向上のためのマスプロモーションも積極化させており、今後はテレビCMとターゲットを絞ることが可能なネット広告の双方をバランスよく判断していくものと見られる。
(1) トラベルコ
主力サービスの「トラベルコ」では、市場ニーズに対応したプロモーション、既存メニューのリニューアル及び機能強化、新規連携強化による商品情報の拡充、国内及び海外の人気スポットなどの観光情報拡大、各メニューのクチコミ・評価サービス拡充、比較サービスのメニュー拡大(クルーズ・民泊・アウトドア・日帰りレジャーなど)、旅行会社向けサポートシステムの開発、サイトデザインリニューアル、チャットAIサービスの拡充などを進めることで競合サイトとの差別化を図り、一段と競争力を高めていく方針だ。今後の来るべき旅行需要回復期には、これらの取り組みの成果が顕在化するものと期待される。
(2) TRAVELKO
海外版「TRAVELKO」については、現地大手旅行サイトとの連携強化を進め価格優位性を確立することで、同社が予想する旅行需要回復期に海外ユーザーの様々な需要を取り込むことが可能となる。また、渡航関連情報やUI(ユーザーインターフェイス)ローカライゼーションの強化のほか、プロモーションも検討しているようだ。
3. 中長期の成長イメージ
2024年3月期はインフレや円安進展により海外旅行の回復ペースが緩慢なことなど逆風もあったが、売上高伸び率は前期比24.6%増と高い伸び率となった。同社のコロナ禍前の2016年3月期~2020年3月期売上高の年平均成長率(CAGR)は18.9%と高水準であることから、今後、インフレや円安が鎮静化し旅行需要が戻れば、今後も継続的に年率20%以上の売上成長を目指すことは可能と弊社では見ている。日本人の潜在的な旅行ニーズは非常に高いが、インフレや円安によって相対的に海外旅行の割高感が強まっているため、今後、これらのマクロ面での阻害要因が鎮静化へ向かえば日本から海外への潜在的な海外旅行需要が一気に顕在化する可能性もある。
旅行業界のEC化率はほかの業界と比較して高いと言われているが、ミドル層やシニア層での開拓余地は大きい。こうした世代では利便性の良いサイトづくりがより重要になってくると思われ、AIの活用や動画コンテンツの導入、クチコミ・評価サービスの一層の拡充なども今後進んでいくものと弊社では予想している。旅行ジャンルについても、民泊やクルーズ船旅行、レストラン予約など依然開拓余地は大きい。また、海外ユーザーの取り込みに成功すれば、一気に成長ポテンシャルも高まるだけにその動向は注目される。海外では様々な旅行ジャンルをまとめて横断検索できる比較サイトはほとんどないだけに、普及余地は大きい。こうした戦略を推進していくことで、旅行比較サイトで世界トップ企業を目指していく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SO>
■今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績見通しについては、日本人のレジャー旅行市場の回復ペースは、国内は停滞、海外は緩やかな回復をオープンドア<3926>では見込んでいるが、旅行費用の高止まりや円安などのマクロ要因の影響による変動幅が大きいことに加え、状況によってマスプロモーション施策も流動的であることから、精度の高い予測が困難なため現時点では未定とし、合理的な予測が可能となった時点で公表するとしている。同社のビジネスモデルは相対的に損益分岐点が低く、限界利益率が高いことが予想されることから、旅行需要の回復に伴い売上も回復してくれば、業績が大きく改善することも期待される。コロナ禍の収束に伴い、旅行需要の回復とともに同社業績も改善基調が続くと見られるが、円安による海外旅行費用の高止まり、インフレによる航空運賃の上昇、航空座席数の不足などにより海外旅行の回復は緩慢なペースに留まる可能性があるリスクに留意する必要もあるだろう。なお、同社では市場状況も見ながら、プロモーション施策についてテレビCMやネット広告など柔軟に検討したいとしており、旅行需要の回復ペース次第では2024年3月期と同様にプロモーション費用が増加する可能性もあるだろう。
2. 重点施策
同社では、不確実な要素が多く2025年3月期の業績予測は困難だが、国内旅行需要は今後も継続的な回復、海外旅行需要は為替やインフレなど外部環境次第ではあるもの、緩やかな回復基調が継続すると予想している。このような状況において同社は、強固な財務基盤に加え旅行需要に比例した業績回復を見越して開発投資をさらに進め、サービスの拡充及び競争力の強化を図るため、引き続きエンジニアなど開発部門の強化にリソースを割く方針だ。多くの競合他社がシステム開発を外注しているのに対し、同社ではほぼすべてのシステムを内製で開発しているため、市場トレンドに合わせながら柔軟かつ効率的な開発環境を整えられることから、旅行需要の回復に合わせて機動的にサービスを開発・展開していく。また、コロナ禍で抑制気味としていた広告宣伝費についても2024年3月期はテレビCMを打つなど市場の回復に合わせて認知度向上のためのマスプロモーションも積極化させており、今後はテレビCMとターゲットを絞ることが可能なネット広告の双方をバランスよく判断していくものと見られる。
(1) トラベルコ
主力サービスの「トラベルコ」では、市場ニーズに対応したプロモーション、既存メニューのリニューアル及び機能強化、新規連携強化による商品情報の拡充、国内及び海外の人気スポットなどの観光情報拡大、各メニューのクチコミ・評価サービス拡充、比較サービスのメニュー拡大(クルーズ・民泊・アウトドア・日帰りレジャーなど)、旅行会社向けサポートシステムの開発、サイトデザインリニューアル、チャットAIサービスの拡充などを進めることで競合サイトとの差別化を図り、一段と競争力を高めていく方針だ。今後の来るべき旅行需要回復期には、これらの取り組みの成果が顕在化するものと期待される。
(2) TRAVELKO
海外版「TRAVELKO」については、現地大手旅行サイトとの連携強化を進め価格優位性を確立することで、同社が予想する旅行需要回復期に海外ユーザーの様々な需要を取り込むことが可能となる。また、渡航関連情報やUI(ユーザーインターフェイス)ローカライゼーションの強化のほか、プロモーションも検討しているようだ。
3. 中長期の成長イメージ
2024年3月期はインフレや円安進展により海外旅行の回復ペースが緩慢なことなど逆風もあったが、売上高伸び率は前期比24.6%増と高い伸び率となった。同社のコロナ禍前の2016年3月期~2020年3月期売上高の年平均成長率(CAGR)は18.9%と高水準であることから、今後、インフレや円安が鎮静化し旅行需要が戻れば、今後も継続的に年率20%以上の売上成長を目指すことは可能と弊社では見ている。日本人の潜在的な旅行ニーズは非常に高いが、インフレや円安によって相対的に海外旅行の割高感が強まっているため、今後、これらのマクロ面での阻害要因が鎮静化へ向かえば日本から海外への潜在的な海外旅行需要が一気に顕在化する可能性もある。
旅行業界のEC化率はほかの業界と比較して高いと言われているが、ミドル層やシニア層での開拓余地は大きい。こうした世代では利便性の良いサイトづくりがより重要になってくると思われ、AIの活用や動画コンテンツの導入、クチコミ・評価サービスの一層の拡充なども今後進んでいくものと弊社では予想している。旅行ジャンルについても、民泊やクルーズ船旅行、レストラン予約など依然開拓余地は大きい。また、海外ユーザーの取り込みに成功すれば、一気に成長ポテンシャルも高まるだけにその動向は注目される。海外では様々な旅行ジャンルをまとめて横断検索できる比較サイトはほとんどないだけに、普及余地は大きい。こうした戦略を推進していくことで、旅行比較サイトで世界トップ企業を目指していく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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