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昭和産業 Research Memo(7):組織再編によりグループシナジーの高度化・最大化を推進
2024/06/24 18:07
*18:07JST 昭和産業 Research Memo(7):組織再編によりグループシナジーの高度化・最大化を推進
■「中期経営計画23-25」
1. 「中期経営計画23-25」の概要
昭和産業<2004>は創立90周年を迎える2026年3月期のありたい姿として、長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」(2018年3月期~2026年3月期の9年間)を策定しており、2023年2月に3rd Stage「中期経営計画23-25」を公表した。「中期経営計画20-22」において目標としていた経常利益130億円は、コロナ禍や原料穀物相場の高止まりなどの事業環境悪化を受けて未達となったため、3年遅れの2026年3月期に再設定する計画である。そのため2023年4月1日には前述した営業組織の改編を実施した。計画では、基本戦略として、1) 基盤事業の強化、2) 事業領域の拡大、3) 環境負荷の低減、4) プラットフォームの再構築、5) ステークホルダーエンゲージメントの強化、の5つを掲げ、営業組織改編による販売力の強化、グループ連携による事業規模拡大と収益力強化、高付加価値商品の拡販、海外事業の拡大、適正な価格改定などにより利益を創出する計画だ。
定量的には、基盤事業の強化で27億円、事業領域の拡大で8億円、事業環境の回復・環境変化への対応で30億円を創出し、2026年3月期に経常利益130億円を達成するとしている。定量目標では、経常利益以外に、ROE7.0%以上、NET D/Eレシオ0.6倍以下、新たな管理指標としてROIC4.0%以上、CCC75日を掲げた。また、非財務KPIとして、CO2排出量削減や食品ロスの削減などの環境目標、デジタル化推進などのデジタル戦略、人的資本経営、事業規模の拡大や生産改善活動によるコスト削減などのRD&E戦略でも目標値を設定している。
2. 進捗状況
(1) 基盤事業の強化
2024年3月期実績として、2023年3月期比27億円増の目標に対し39億円を創出した。内訳は、穀物ソリューションの進化で3億円、グループ連携による事業規模拡大と収益力強化で17億円、商品構成の最適化で6億円、差別化戦略による付加価値商品の拡販で13億円となっている。グループ連携による事業規模拡大と収益力強化、並びに差別化戦略による付加価値商品の拡販が大きく寄与した。前者はグループ全体での生産拠点最適化による生産性向上・原価低減が奏功したと考えられる。後者は製油カテゴリでの高付加価値製品や糖質カテゴリでの機能性商品の拡販、飼料事業での高付加価値製品の拡販による効果が寄与したと考えられる。
2025年3月期は業態別・顧客別の営業体制を生かし、様々なカテゴリの商品を顧客ニーズに合わせてワンストップで提供することにより、穀物ソリューションのさらなる進化を目指すほか、引き続きグループ一体となり事業構造を改革することでコスト圧縮を進める。
(2) 事業領域の拡大
2024年3月期実績として、2023年3月期比8億円増の目標に対して1億円を創出した。中華圏やアセアン諸国の輸出が増加して海外事業が拡大した効果が現れた。同社は2023年7月に子会社(Showa Sangyo International Vietnam)を設立し、新工場を建設している。2025年3月期も輸出事業を拡大するとともに、海外新規事業についてはM&Aによる進出も積極的に検討する。
(3) 事業環境の回復・環境変化への対応
2024年3月期実績として、2023年3月期比30億円増の目標に対して49億円を創出した。内訳は販売数量の回復で5億円増、適正な価格改定で44億円増である。各事業セグメントにおいて製造コストに見合う適正価格での販売に注力した結果、大きな成果を得た。2025年3月期は、コロナ禍や物価の高騰により売上げが減少している食用油やプレミックス類の販売数量を回復させ、積み上げを図る。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<SO>
■「中期経営計画23-25」
1. 「中期経営計画23-25」の概要
昭和産業<2004>は創立90周年を迎える2026年3月期のありたい姿として、長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」(2018年3月期~2026年3月期の9年間)を策定しており、2023年2月に3rd Stage「中期経営計画23-25」を公表した。「中期経営計画20-22」において目標としていた経常利益130億円は、コロナ禍や原料穀物相場の高止まりなどの事業環境悪化を受けて未達となったため、3年遅れの2026年3月期に再設定する計画である。そのため2023年4月1日には前述した営業組織の改編を実施した。計画では、基本戦略として、1) 基盤事業の強化、2) 事業領域の拡大、3) 環境負荷の低減、4) プラットフォームの再構築、5) ステークホルダーエンゲージメントの強化、の5つを掲げ、営業組織改編による販売力の強化、グループ連携による事業規模拡大と収益力強化、高付加価値商品の拡販、海外事業の拡大、適正な価格改定などにより利益を創出する計画だ。
定量的には、基盤事業の強化で27億円、事業領域の拡大で8億円、事業環境の回復・環境変化への対応で30億円を創出し、2026年3月期に経常利益130億円を達成するとしている。定量目標では、経常利益以外に、ROE7.0%以上、NET D/Eレシオ0.6倍以下、新たな管理指標としてROIC4.0%以上、CCC75日を掲げた。また、非財務KPIとして、CO2排出量削減や食品ロスの削減などの環境目標、デジタル化推進などのデジタル戦略、人的資本経営、事業規模の拡大や生産改善活動によるコスト削減などのRD&E戦略でも目標値を設定している。
2. 進捗状況
(1) 基盤事業の強化
2024年3月期実績として、2023年3月期比27億円増の目標に対し39億円を創出した。内訳は、穀物ソリューションの進化で3億円、グループ連携による事業規模拡大と収益力強化で17億円、商品構成の最適化で6億円、差別化戦略による付加価値商品の拡販で13億円となっている。グループ連携による事業規模拡大と収益力強化、並びに差別化戦略による付加価値商品の拡販が大きく寄与した。前者はグループ全体での生産拠点最適化による生産性向上・原価低減が奏功したと考えられる。後者は製油カテゴリでの高付加価値製品や糖質カテゴリでの機能性商品の拡販、飼料事業での高付加価値製品の拡販による効果が寄与したと考えられる。
2025年3月期は業態別・顧客別の営業体制を生かし、様々なカテゴリの商品を顧客ニーズに合わせてワンストップで提供することにより、穀物ソリューションのさらなる進化を目指すほか、引き続きグループ一体となり事業構造を改革することでコスト圧縮を進める。
(2) 事業領域の拡大
2024年3月期実績として、2023年3月期比8億円増の目標に対して1億円を創出した。中華圏やアセアン諸国の輸出が増加して海外事業が拡大した効果が現れた。同社は2023年7月に子会社(Showa Sangyo International Vietnam)を設立し、新工場を建設している。2025年3月期も輸出事業を拡大するとともに、海外新規事業についてはM&Aによる進出も積極的に検討する。
(3) 事業環境の回復・環境変化への対応
2024年3月期実績として、2023年3月期比30億円増の目標に対して49億円を創出した。内訳は販売数量の回復で5億円増、適正な価格改定で44億円増である。各事業セグメントにおいて製造コストに見合う適正価格での販売に注力した結果、大きな成果を得た。2025年3月期は、コロナ禍や物価の高騰により売上げが減少している食用油やプレミックス類の販売数量を回復させ、積み上げを図る。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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