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アートネイチャ Research Memo(9):2026年3月期売上高523億円、経常利益率10%を目指す
2024/06/17 13:49
*13:49JST アートネイチャ Research Memo(9):2026年3月期売上高523億円、経常利益率10%を目指す
■アートネイチャー<7823>の中期経営計画
1. 環境認識
国内毛髪市場は長期的に逓減傾向にあり、短期的にはコロナ禍から回復しつつあるものの未だコロナ禍前の規模に戻っていない状況で、中期的には機会とリスクが併存する環境といえる。リスクは、理美容師の採用競争激化につながる人手不足の慢性化、円安や資源の高騰による原価・販管費の増加、人口減少による将来の顧客数減といったことへの懸念である。機会は、アフターコロナ直後の旅行や外食への一時的な集中からウィッグへの需要回復や、高年齢者雇用安定法改正や女性活躍推進法改正によるウィッグの利用機会の拡大などで、販促や集客の変化も合わせて、資金力のある同社にとって短中期的に差別化につながる可能性が高いと思われる。また、中長期的には、差別化を背景に主要顧客層であるシニアのアクティブ化や団塊ジュニア世代の取り込みなどが想定されるため、同社にとって引き続き旺盛な需要が見込まれるマーケットといえる。
2. 新中期経営計画「アートネイチャーAdvanceプラン」
同社は2017年、グループのモットー“ふやしたいのは、笑顔です”をベースに、創立60周年の2027年をターゲットに“新しい未来を切り開く10年、Open the Future”という長期ビジョンを策定、顧客満足の向上と利益増強を重視した経営に転換するとともに新しい事業領域に踏み出すこととなった。長期ビジョンを3つの中期ビジョンに分け、1stSTEPの中期経営計画2017-2019では、「次代を切り拓くアートネイチャーの誕生」というビジョンによって、「しっかりとした土台」を作り上げるべくそれまでの低迷から業績回復に努めた。2ndSTEPとなる中期経営計画2020-2022では、「次代を切り拓くアートネイチャーの挑戦」のビジョンのもと、先行き不透明のなかでも事業価値をさらに高める挑戦を実行した。2024年3月期に始まった3rd STEPの中期経営計画2023-2025「アートネイチャーAdvanceプラン」では、これまでの成果と課題をテコに間近となった長期ビジョンの実現に向け、「次代を切り拓くアートネイチャーの飛躍」というビジョンの達成を目指す。
「アートネイチャーAdvanceプラン」では、同社を取り巻く環境変化は大変激しいが、業績向上とシェア拡大、新領域の事業開発によって、売上高500億円超を目指している。主要テーマを価値創造、サステナビリティ推進、市場との対話の3つにフォーカスし、価値創造では、国内毛髪業界におけるマーケットリーダーとしてのポジションの確立と新領域の事業開発を推進する。サステナビリティ推進では、コーポレートガバナンス・コードの対応強化やSDGsの実践により持続可能な社会を実現する一方、持続的な企業価値の向上に向けて労働生産性・生産安定性・事務効率性の向上を図る。市場との対話では、情報開示のさらなる改善や追加の株主還元策を検討している。これにより、財務目標として、2026年3月期に売上高523億円、経常利益率10.0%(52.3億円)、ROE10.2%を狙う。非財務目標としては、毛髪業界シェア40%超、GHG排出量の設定(2025年まで)、女性管理職比率22%以上、男女間賃金格差現状+1.0%以上、男性育児休業取得率82%以上を目指す。2024年3月期は業績が厳しかったが、他社も同じ環境にあるため男女ともに同社のシェアは伸びていると思われ、引き続き当初目標に向かって以下のような成長戦略を進めているところである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>
■アートネイチャー<7823>の中期経営計画
1. 環境認識
国内毛髪市場は長期的に逓減傾向にあり、短期的にはコロナ禍から回復しつつあるものの未だコロナ禍前の規模に戻っていない状況で、中期的には機会とリスクが併存する環境といえる。リスクは、理美容師の採用競争激化につながる人手不足の慢性化、円安や資源の高騰による原価・販管費の増加、人口減少による将来の顧客数減といったことへの懸念である。機会は、アフターコロナ直後の旅行や外食への一時的な集中からウィッグへの需要回復や、高年齢者雇用安定法改正や女性活躍推進法改正によるウィッグの利用機会の拡大などで、販促や集客の変化も合わせて、資金力のある同社にとって短中期的に差別化につながる可能性が高いと思われる。また、中長期的には、差別化を背景に主要顧客層であるシニアのアクティブ化や団塊ジュニア世代の取り込みなどが想定されるため、同社にとって引き続き旺盛な需要が見込まれるマーケットといえる。
2. 新中期経営計画「アートネイチャーAdvanceプラン」
同社は2017年、グループのモットー“ふやしたいのは、笑顔です”をベースに、創立60周年の2027年をターゲットに“新しい未来を切り開く10年、Open the Future”という長期ビジョンを策定、顧客満足の向上と利益増強を重視した経営に転換するとともに新しい事業領域に踏み出すこととなった。長期ビジョンを3つの中期ビジョンに分け、1stSTEPの中期経営計画2017-2019では、「次代を切り拓くアートネイチャーの誕生」というビジョンによって、「しっかりとした土台」を作り上げるべくそれまでの低迷から業績回復に努めた。2ndSTEPとなる中期経営計画2020-2022では、「次代を切り拓くアートネイチャーの挑戦」のビジョンのもと、先行き不透明のなかでも事業価値をさらに高める挑戦を実行した。2024年3月期に始まった3rd STEPの中期経営計画2023-2025「アートネイチャーAdvanceプラン」では、これまでの成果と課題をテコに間近となった長期ビジョンの実現に向け、「次代を切り拓くアートネイチャーの飛躍」というビジョンの達成を目指す。
「アートネイチャーAdvanceプラン」では、同社を取り巻く環境変化は大変激しいが、業績向上とシェア拡大、新領域の事業開発によって、売上高500億円超を目指している。主要テーマを価値創造、サステナビリティ推進、市場との対話の3つにフォーカスし、価値創造では、国内毛髪業界におけるマーケットリーダーとしてのポジションの確立と新領域の事業開発を推進する。サステナビリティ推進では、コーポレートガバナンス・コードの対応強化やSDGsの実践により持続可能な社会を実現する一方、持続的な企業価値の向上に向けて労働生産性・生産安定性・事務効率性の向上を図る。市場との対話では、情報開示のさらなる改善や追加の株主還元策を検討している。これにより、財務目標として、2026年3月期に売上高523億円、経常利益率10.0%(52.3億円)、ROE10.2%を狙う。非財務目標としては、毛髪業界シェア40%超、GHG排出量の設定(2025年まで)、女性管理職比率22%以上、男女間賃金格差現状+1.0%以上、男性育児休業取得率82%以上を目指す。2024年3月期は業績が厳しかったが、他社も同じ環境にあるため男女ともに同社のシェアは伸びていると思われ、引き続き当初目標に向かって以下のような成長戦略を進めているところである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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