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アイル Research Memo(6):製販一体による好循環スパイラルを形成する戦略を推進

*12:06JST アイル Research Memo(6):製販一体による好循環スパイラルを形成する戦略を推進
■アイル<3854>の事業概要

5. 生産性向上と売上総利益率上昇の好循環スパイラル
同社は製販一体(営業とSEの一体化)体制によりカスタマイズ工数削減やトラブル未然防止に取り組んで総合的な品質・生産性向上を実現するほか、ストック売上拡大により売上総利益率上昇につなげるという好循環スパイラルを形成する戦略を推進している。また個別カスタマイズ対応を基本戦略とする一方で、パッケージ機能の強化・オプション化による受注拡大や、品質・生産性向上によるリードタイム短縮などの施策により、継続的に売上総利益率の改善を推進している。

これらの結果、売上高は拡大基調であり、売上総利益率もおおむね上昇基調となっている。2021年7月期と2025年7月期を比較すると、全社ベースの売上高は46.1%増加、売上総利益は73.7%増加、売上総利益率は46.5%から55.2%へ8.7ポイント上昇した。特にシステムソリューション事業の売上総利益率が46.1%から55.9%へ9.8ポイント上昇し、全体の売上総利益率上昇をけん引している。Webソリューション事業のうちCROSS事業の売上総利益率は「BACKYARD」開発関連費の増加により、56.2%から56.5%へほぼ横ばいとなっている。なお2025年7月期の全社ベースの売上総利益率は前期比では0.6ポイント低下したが、これは人件費増加など先行投資の影響に加え、前期のサーバー入れ替え特需の反動、Windows10サポート終了に伴うPC入れ替えで利益率の低いハード売上高の増加という一過性要因が影響したためである。クラウド関連仕入価格上昇の影響はクラウド月額利用料金値上げによって吸収している。

また、全社ベースのストック売上高は73.2%増加、ストック売上総利益は75.3%増加した。この結果、ストック売上総利益の販管費カバー率は64.8%から83.8%まで上昇し、販管費の8割強をストック売上総利益でカバーできる収益構造となっている。今後は、ストック売上総利益の販管費カバー率100%を目指す。なお、ストック売上高構成比及びストック売上総利益構成比は2023年7月期に一時的に低下したが、これはシステムソリューション事業におけるメーカーのサーバー保守終了に伴うハード機器特需という一過性要因によるものであり、トレンドとしてはストック売上高、ストック売上総利益とも拡大基調である。またストック売上総利益率は50%台後半の水準で推移している。

6. ビジネスパートナーとの連携強化
同社は売上成長と利益拡大に向けた施策として、様々な分野でビジネスパートナーとの連携を強化している。直近の事例としては、2025年1月に「CROSS MALL」が、イーベイ・ジャパン(株)が2024年12月より開始した「SSP Program(Selected Service Provider Program)」の最初の認定3サービスに選定された。同年3月には「CROSS MALL」が(株)JALUXのJAL公式総合オンラインショッピングモール「JAL Mall」と連携開始、同年6月には「CROSS MALL」が(株)SUPER STUDIOの統合コマースプラットフォーム「ecforce」と連携開始、同年7月には「CROSS MALL」がSHOPLINE Japan(株)のECサイト構築サービス「SHOPLINE」と連携開始した。

7. リスク要因と課題・対策
情報システム・サービス産業における一般的なリスク要因としては、受注競合、案件大型化に伴う開発期間の長期化、個別プロジェクトの不採算化、技術革新への対応遅れ、人材確保などがある。同社はパッケージソフト開発・販売が主力のため、受託開発が主力のシステム開発会社に比べて個別プロジェクト不採算化のリスクは小さい。一方で、顧客ニーズに沿った柔軟な個別カスタマイズによって競合他社との差別化を図っているため、カスタマイズ時における工数増加などが利益率低下要因となるが、この対策として製販一体体制による生産性向上を推進しているほか、今後はAIの活用も推進する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)



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