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クオルテック Research Memo(3):各事業セグメントで増収増益、パワー半導体関連の試験受注が好調

*11:03JST クオルテック Research Memo(3):各事業セグメントで増収増益、パワー半導体関連の試験受注が好調
■クオルテック<9165>の業績動向

1. 2025年6月期の業績概要
2025年6月期の業績は、売上高4,025百万円(前期比11.1%増)、営業利益384百万円(同0.9%増)、経常利益384百万円(同4.8%増)、当期純利益219百万円(同18.6%減)となった。最終利益は減益とはなったものの、売上高、営業利益、経常利益は過去最高を記録した。期初の業績予想に対する達成率は、売上高0.6%増、営業利益0.1%減、経常利益3.9%増、当期純利益21.5%減となり、最終利益を除いてほぼ達成した。売上面では、各事業セグメントともおおむね予想通りの成長が図られ、前期比増収を達成、特に主力の信頼性評価事業とその他事業のバイオ関連が好調だった。信頼性評価事業では、パワーサイクル試験の受注が主要取引先である大手企業を中心に好調で同22.5%増となり、その他の信頼性試験や断面研磨も順調に推移したことにより、全体で同11.2%増となった。微細加工事業は、2025年6月期よりセグメントとなった表面処理技術において主要顧客からの開発案件受注が好調で同29.5%増と大きく増収となったほか、レーザ加工も堅調な受注振りで、同8.2%の増収となった。その他事業では、バイオで厚生労働省からの受託案件である医療用消耗品の信頼性試験の受注が好調だったことで同25.4%増を確保した。

利益面では、信頼性評価事業を中心とした拡販体制増強による増収効果で売上総利益が前期比136百万円増加した。次世代半導体を中心とした研究開発の推進による販管費や研究開発費の増加(133百万円)や人件費の増加(83百万円)があったものの、営業利益でも増益となった。なおセグメント別でも、信頼性評価事業と微細加工事業は増益、バイオが中心のその他事業ではマイナス幅を縮小した。当期純利益の減益は、投資有価証券評価損等(76百円)の影響によるものである。

2. セグメント別の業績動向
(1) 信頼性評価事業
信頼性評価事業の売上高は3,553百万円(前期比11.2%増)、営業利益は1,061百万円(同7.8%増)となった。期初予想比では売上高は0.9%増、営業利益は10.7%減と利益面で予想を下回った。パワーサイクル試験では主要顧客の研究開発に伴う試験需要は引き続き旺盛で、受注が好調に推移したほか、顧客の試験内製化の動きから、過去に販売した試験装置の改造案件が増加したことで同22.5%増の増収となり、事業の業績をけん引した。信頼性試験は顧客要望に対応して試験メニューを拡大したことで受注増につながり、同9.9%の増収となった。同社は2024年11月にパワエレテクノセンターを計画比前倒しで開設し、これまで分散していたパワー半導体評価拠点を一箇所に集約したが、集約後の空きスペースを他センターが跡地利用することで顧客からの多様な試験ニーズに対応可能な体制が整備され、これが奏功した形で受注増につながった。断面研磨は2024年6月期に引き続き順調に受注を獲得したことで同6.9%の増収となった。なお期初予想比では、パワーサイクル試験は1.9%増、信頼性試験は1.2%減、断面研磨は3.8%増とおおむね順調に推移している。利益面では、パワエレテクノセンター開所や跡地の有効活用、試験メニュー拡大に向けた設備・人員増強といった、成長戦略へ向けた体制強化を行ったことで人件費や在庫コスト等の費用増が発生したものの、増収がそれらを上回ったことで増益を確保した。

(2) 微細加工事業
微細加工事業の売上高は413百万円(前期比8.2%増)、営業利益は184百万円(同42.3%増)となった。期初予想比では売上高は5.4%減、営業利益は4.9%減といずれもわずかに予想に届かなかった。2025年6月期より同事業のセグメントとなった表面処理技術においては、大手食品メーカーや電機メーカーからの開発案件受注が大きく増加する等、受注が好調に推移したことで同29.5%増と大きく伸長した。レーザ加工においては試作品加工に係る受注が堅調だったものの、顧客の量産品加工に関する受注分が顧客側の流通在庫の滞留等の理由で期初予想比低調だったことから同0.1%増と前期並みとなった。このため期初予想比では表面処理技術は20.5%増と予想以上の伸びを見せたが、レーザ加工は14.4%減の未達となった。利益面では増収効果に加え、設備投資に係る減価償却費の減少もあり、前期比増益となった。

(3) その他事業
その他事業の売上高は57百万円(前期比25.4%増)、営業損失13百万円(前期は19百万円の損失)となった。期初予想比では売上高は+37.4%増と大幅に伸長、営業損失も15百万円減の予想に対し13百万円と予想より縮小した。バイオ事業において厚生労働省案件である医療用消耗品に関する信頼性試験の受注が本格化し、好調に推移したことが増収に寄与した。損益面では受託試験に係る費用の圧縮を図ったが、試験受注に伴う在庫費用や人件費増で売上原価が増加し、最終的に損失計上となった。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)



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