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アーバネット Research Memo(7):多様化する空間開発ニーズに対応するため、新規事業にも取り組む

*15:07JST アーバネット Research Memo(7):多様化する空間開発ニーズに対応するため、新規事業にも取り組む
■主な活動実績

1. ケーナインの販売状況
アーバネットコーポレーション<3242>の2024年2月29日に連結化したケーナインの2025年6月期の業績は、売上高61億円、営業利益7億円となり、売上高予想(55億円)を大きく上回った。具体的な実績として、1棟販売で賃貸アパート(1棟11戸)、エンド向けに戸建(11戸)・テラスハウス(21戸)を販売した。

売上高はこれまでも成長基調にあったが、同社グループに入ってからはその勢いが増している。ケーナインの子会社化は、開発エリアを横浜・川崎まで拡大し、BtoC分野の経営資源を獲得することで、事業領域の拡大に弾みをつけるところに狙いがあるが、PMI(経営統合プロセス)は順調に進み、すでにシナジーが表れていると評価できる。特に、与信面(金融機関からの資金調達など)での支援が、早期の成果に大きく貢献したと考えられる。今後は用地情報の共有や事業開発面での連携も期待される。

2. 介護付き有料老人ホームの開発
2024年11月6日付で、同社初となるヘルスケアアセット開発第1号「千歳烏山IIプロジェクト」への着手を発表した。同プロジェクトでは、同社が介護付有料老人ホーム(仮称「チャームスイート千歳烏山)を開発し、介護業界におけるリーディングカンパニーであるチャーム・ケア・コーポレーション<6062>が運営する(設計・施工は大和ハウス工業<1925>)。同社の強みである「ものづくり」のノウハウに、チャーム・ケア・コーポレーションの介護オペレーターとしての経験や工夫を組み合わせることで、新たな価値を生み出す方針である。竣工は2025年12月頃を予定しており、同社は今後もヘルスケアアセットの開発に取り組む。

3. アパートメントホテルの開発
ホテル開発を目的として、2025年4月25日に東京都中央区に事業用地を確保した。ホテル開発では、「ホテルアジール東京蒲田」に続く第2号プロジェクトである。旺盛なインバウンド需要を意識し、多人数、連泊を想定したアパートメントホテルとして開発する。開発は、商品企画力に強を持つ(株)プロフィッツと、インバウンド向けホテルオペレーションで実績がある(株)ティーエーティーとの協業により進めている。

4. 国内外富裕層向け不動産ソリューション事業
2025年6月26日に新規事業として、北海道ニセコの中心である「ひらふエリア」に事業用地を取得し、国内外富裕層向け不動産開発事業を開始した。同社は、宿泊施設や商業店舗、その周辺環境を含めた複合的な空間開発に取り組む計画だ。観光庁の「訪日外国人消費動向調査」でも、ウィンタースポーツによる消費額の押し上げが確認されており、高付加価値な宿泊施設や関連空間に対する開発ニーズは高まっている。本事業を皮切りにリゾートアセットの開発を推進するため、同社はREAX International(株)との業務提携契約を締結した。REAX Internationalはニセコ及び軽井沢等に支店を持ち、アジアを中心とした海外投資家との連携に強みがある。

5. 私募ファンド運用会社との業務提携
2025年7月14日付で国内有数の不動産アセットマネジメント会社である三井不動産投資顧問(株)とパイプライン・サポート基本協定を締結した。中核事業である都市型賃貸マンションの開発促進及び安定的なパイプラインの確保を目的とする。同社の開発した「アジールコート」シリーズは、三井不動産投資顧問の運用する私募ファンドにおいて既に運用されており、安定的なリターンを求める投資家から高い評価を得ている。本協定により、同社開発の都市型賃貸マンションを三井不動産投資顧問が組成または運用するファンドに対して年間一定数を優先的に供給することになった。



■業績見通し
2026年6月期も増収増益基調が継続する見通し
1. 2026年6月期の業績見通し
2026年6月期の連結業績予想についても、売上高を前期比9.2%増の37,044百万円、営業利益を同4.1%増の3,623百万円、経常利益を同2.2%増の2,850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同2.7%増の1,900百万円と増収増益を見込んでいる。

引き続き不動産開発を軸とする「不動産事業」の伸びが増収に寄与する見込みである。都市型賃貸マンションの販売戸数は12棟552戸(そのうち525戸は既に契約済)を予定している。戸建・テラスハウス分譲等39戸、数件のアパート開発販売、用地転売なども計画している。

利益面でも、増収効果により増益を確保するものの、コスト増を慎重に見積もっている。用地・建設資材価格の高止まりや工事関連人件費の増加といった原価増に加え、事業拡大に向けた販管費増など増加も加わるため、営業利益率は9.8%(前期は10.3%)と若干低下する想定としている。

2. 弊社の見方
弊社でも、計画の前提となっている販売戸数はおおむね契約済みであることや、ケーナインの好調な業績、順調なパイプラインの積み上げ、旺盛な投資家ニーズなどを勘案すれば、同社の業績予想は十分に達成可能であると判断している。特に利益面では、想定されるコスト要因を保守的に見積もった水準となっており、結果的に上振れる可能性にも注意が必要だ。また、介護付き老人ホームやアパートメントホテルの開発、リゾート地での複合的な空間開発など、新たな軸となり得る新規事業の進捗にも引き続き注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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