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合同製鐵:国内建設需要を基盤に環境対応と省エネ投資で競争力を拡大

*10:22JST 合同製鐵:国内建設需要を基盤に環境対応と省エネ投資で競争力を拡大
合同製鐵<5410>は、国内有数の電炉メーカーとして鉄スクラップを主原料に鋼材を製造している。鉄筋棒鋼や線材、形鋼、構造用鋼を手掛けており、国内電炉子会社である朝日工業、三星金属工業、トーカイとの連携により、建設・土木分野や建設機械・産業機械向けを中心に幅広い用途に対応する製品を展開し、需要家の仕様に応じた高品質材を安定供給するビジネスモデルを確立している。直近では需要低迷や原材料価格の高止まりが見られるものの、複数年にわたり一定の収益基盤を維持しており、安定性の高さが際立つ。

同社の強みは、第一に長年培った製造技術と品質管理力が挙げられる。
全国6電炉での生産体制は、効率的な製造と安定した品質を両立しており、またデリバリーまで対応することで顧客からの高い信頼を獲得し、安定需要を確保している。第二に鉄スクラップリサイクルを核とする環境対応力である。鉄鋼業における脱炭素要請が強まるなか、電炉方式を採用する同社は他の高炉メーカーに比べてCO2排出削減に優位性を有し、顧客からのサステナビリティ需要に応える体制を整えている。第三に、製品・販売網の安定性である。国内建設需要に根差した優れた販売網を有し、販売単価を比較的高位に維持できており、外部環境変動下でも収益を確保できる体制を築いている。

2026年3月期第1四半期は売上高47,903百万円(前年同期比10.3%減)、営業利益2,961百万円(同10.7%減)と減収減益となったが、四半期純利益は2,935百万円(同3.9%増)と底堅さを示した。鋼材販売数量は33万トンと前年同期比7%減少した一方、スクラップ価格の安定が下支えとなった。


需要低迷の背景には国内建設分野での計画見直しや工期長期化があるが、インフラ需要の継続や公共投資の底堅さが今後の回復を支えると見込まれる。通期予想は売上高200,000百万円(前期比2.5%減)、営業利益12,500百万円(同9.1%減)を据え置いている。

今後の成長見通しとして、同社は中期経営計画においてROE8%以上、ROS(売上高営業利益率)7%などを目標として掲げ、また同時に総額400億円規模の投資を進める方針を示している。なかでも2029年に稼働予定の姫路製造所の圧延機刷新(投資額128億円)は競争力強化の要となり、生産効率向上や品質安定化を通じて長期的な収益力改善に寄与する見通しである。また、省エネ投資やDX活用、人材育成への取り組みも進められており、持続的な成長基盤の強化が期待される。鉄スクラップ市況は発生量減少や地政学リスクを背景に高止まりしているが、同社は安定調達体制を構築しており、価格転嫁力を活かした収益確保が可能とみられる。

株主還元については、配当性向30%を目安とした安定的な還元方針を掲げている。2026年3月期は年間200円(中間100円、期末100円)の配当予想を据え置き、前期と同水準を維持する。財務基盤の健全性を背景に、成長投資と株主還元の両立を進める姿勢が明確である。

総じて、同社は電炉メーカーとして環境対応力と財務健全性を武器に、需要変動のなかでも安定収益を確保している。姫路圧延機刷新などの成長投資が着実に進んでおり、長期的な収益力強化が期待される。今後の業績動向や投資効果の顕在化に引き続き注目したい。



<HM>



 
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