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豆蔵 Research Memo:AIロボティクスに積極投資でも通期見通しに強い期待感

*13:35JST 豆蔵 Research Memo:AIロボティクスに積極投資でも通期見通しに強い期待感
豆蔵<202A>は11月12日、2026年3月期第2四半期(2Q)決算を発表、AIロボティクス事業への積極的な戦略投資を着実に吸収しながらも高収益体質を維持、順調な推移を確認できた。関税問題に起因する市場(特にモビリティビジネスへ)の不透明感が薄らぐとともに、むしろ過去10年間で最も高い水準の投資意欲が自動車業界において確認されており、会社側では引き続き通期見通しについて強い期待感を有しているという。成長スピードおよび比較企業比で、PER30~60倍の評価もあり得るだろう。上限評価時の株価は現状の+70%が試算される。

成長分野のAIコンサルティングやAIロボティクスの成長が加速

1. 2026年3月期2Q決算の概要
売上高は前年同期比10.3%増の5,809百万円、営業利益は同14.7%増の1,113百万円。内部予算管理上の当初目標を大きく上回り、通期に対する進捗率も売上高で50.0%、営業利益52.0%と順調な推移、かつ営業利益は過去最高益となっている。AIロボティクス領域へ戦略的投資として(2Q累計、一部投資プロジェクト加算)62百万円を計上しており、それ控除した営業利益は前年同期比20.3%増である。セグメント別では、クラウドコンサルティングが売上高2,110百万円(前年同期比8.8%増)、売上総利益813百万円(同17.1%増)、AIコンサルティングが売上高410百万円(同17.6%増)、売上総利益168百万円(同61.0%増)、AIロボティクス・エンジニアリングが売上高998百万円(同11.1%増)、売上総利益225百万円(同15.0%減)、モビリティ・オートメーションが売上高2,290百万円(同10.2%増)、売上総利益759百万円(13.9%増)。いずれの事業も成長が加速しており、特にAIコンサルティング事業が大きく伸びている。AIロボティクス・エンジニアリングも戦略投資の影響を除けば前年同期比8.4%の増益と成長分野の順調な拡大を確認できる。エンジニアの採用も順調に推移している。2026年3月期は前期比42名増の808名体制が見込まれていたが、既に799名まで増加している(1Q末比12名増)。離職率も2025年3月期末で5.5%(前期比▲1.8pt減)であり、情報通信業界平均10.2%より低い水準となる。グループエンジニア約800名のうち、約20名は博士課程を修了、修士課程修了者を含めると100名以上が大学院卒で、優秀な人材が在籍している。10月1日に実施された豆蔵へのグループ統合により、ブランド認知力が向上、採用にも好影響が及ぶものと想定される。

2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の通期業績は、売上高が前期比10.0%増の11,607百万円、営業利益が同3.53%増の2,142百万円と増収増益の見通しである。10月1日グループ統合に関する広告宣伝関連費、モビリティ・オートメーション領域における稼働可能日数差異、AIロボティクス領域における戦略的投資をこなしながら、通期業績予想の達成に十分な力強さとなっている。また、AIロボティクス事業への戦略的投資、関税問題に起因する市場の不透明感から、そもそも2026年3月期通期見通しは保守的な目標を掲げていたが、関税問題の同社ビジネスへの影響は限定的で、今後関税リスクがますます緩和される見込み。さらに、AIロボティクスの戦略的投資が、国家プロジェクトに採択されて加速度を増すであろうことから、会社側では通期見通しについて強い期待感を有しているという。

成長スピードおよび比較企業比でPER30~60倍の評価も

3. 株主還元
1Q決算と同時に、配当予想の修正(中間配当の実施)を発表している。従来は期末に1株当たり61円配当であったものについて、中間期末で同30.00円、通期末で31.00円とした。利益成長によるキャピタルゲインを期待できる状況ながら、株価が上昇した現状でも配当利回りで約2%となる。また、中長期的な配当性向の目標値を50%~70%に設定した。今期の配当性向は67.6%であり、利益成長にともなった配当増額が期待されることになる。

4. 中長期の成長戦略と株価
同社では社会課題の深刻度が高く、ロボティクス導入難易度の高い食品や医薬などロングテール市場におけるロボティクス活用ニーズの高まりに十分に応えられる体制を早期に実現すべく、投資を実行している。柔軟物対応ロボット(衣類、ケーブル、食品など変形対象の高精度取り扱い)、人型ロボット×生成AI(フィジカルAIの中核技能継承・人手不足への構造的解決)、導入までのハードルを大きく下げる仕組み(ティーチングツール・シミュレーションにより展開加速可能)が重点分野になる見込みだ。2026年3月期に攻めの投資を行うことで、中計最終年度となる2027年3月期の利益成長加速、2030年3月期に向けたさらなる成長(営業利益15%成長→30%以上の成長)を目指すことになる。

比較されやすいVRAIN Solution<135A>はPERで今期予想の中間値で約58倍の評価となっているものの、同社のそれは約35倍。同社の今期予想を含む過去4期の経常利益CAGRは+45%、VRAIN Solutionは+299%、今期予想で各々+13%と+52%で、成長率では見劣りするものの、同社の利益成長はそもそも絶対値で高成長の部類に入り、2030年に向けての成長力は見劣りしないと想定される。ROEは同社が50.6%、VRAIN Solution 35.1%だ。また、同社は配当利回りも2%超と高く、ボラティリティ抑制に寄与しているであろう点も高い評価に寄与しよう。成長スピードおよび比較企業比で、PER30~60倍の評価もあり得るだろう。

Key Points
・先端技術を基盤としてDX支援を多面的に展開
・2026年3月期は先行投資が利益面を圧迫するものの、好調な事業環境を背景に増益を確保
・2030年3月期に向けたさらなる成長(営業利益15%成長→30%以上の成長)を目指す

(執筆:アナリスト 山本泰三)



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