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SI Research Memo(6):3つの事業に経営資源を集中、毎年1%以上の利益率向上目指す

*12:06JST SI Research Memo(6):3つの事業に経営資源を集中、毎年1%以上の利益率向上目指す
■今後の見通し

2. 長期ビジョンと2年経営計画
(1) 長期ビジョン
システムインテグレータ<3826>は長期ビジョンとして、「ものづくり企業のビジネスプロセスをITの力で本質的に変革する」を掲げ、時間を与えるソフトウェアを創り続けるとともに、プロダクト指向からの脱皮と課題解決のためのシステムインテグレーションに注力することで、中長期的な成長を目指す。2026年2月期から2027年2月期までを「事業安定基盤確立とAI活用創成期」、2028年2月期から2030年2月期を「事業独立組織体の形成と競争意識の醸成期」、2031年2月期から2033年2月期までを「事業独立組織体の戦略的拡大期」として位置付け、2033年2月期に売上高120億円、営業利益20億円を目指す。

(2) 2年経営計画
2027年2月期の業績目標は売上高で63億円、営業利益で6億円を設定した。2026年2月期の会社計画値に対して14.5%増収、33.3%増益となり、営業利益率は1.3ポイント上昇の9.5%を目指す。目標達成に向け、以下の施策に取り組む方針だ。

a) 収益基盤改善:1%以上の改善
売上総利益率、販売費比率、管理費比率など対売上比率の指標に関して、常に「(少なくとも)1%」プラスの方向に改善する意識を全社員が持ち、収益基盤の改善を進める。売上総利益率は2026年2月期で32.6%、2027年2月期で35.0%を見込む。ここ2~3年の間に採用した新卒・中途社員の戦力化が進むことで、主力のERP事業における生産性向上が期待でき、売上総利益率の上昇に寄与する見通しだ。

b) 事業ドメイン集中:業務系システム×AI×開発ツール
「業務系システム」「AI」「開発ツール」の3つの領域に経営資源を集中し、BtoBエンタープライズ向けソリューションの提供に注力するとともに、これら領域において競争優位性を確立し、持続的な成長を実現する。

AI技術の利活用が進むなかで、同社は「AIファースト戦略」を掲げ、日常的な社内業務において最新のAI技術の導入を積極的に進めているほか、蓄積したノウハウを生かして各事業でAIを活用した新機能の開発や新規サービスの創出を推進する。

また、「GRANDIT」や「OBPM Neo」「Object Browser」の既存3事業においてさらに高い提供価値を生み出せるよう、次の10年を見据えた高次元ビジネスモデルを構築する。需要が旺盛な「GRANDIT」については開発リソースの強化を継続し、顧客ニーズを取り込んでいく。「OBPM Neo」は、新たに開始したプロジェクト管理研修サービスをフックツールとして既存顧客へのアップセル並びに新規顧客獲得を推進する戦略で、IT企業だけでなくプロジェクトマネジメントのニーズがあるエンジニアリング業界等の非IT系企業への拡販も目指す。「Object Browser」に関しては、マルチデータベースに対応した幅広いエンジニア向けの開発支援ツールとしてだけでなく、AI機能の実装によって開発生産性をさらに高める製品として拡販する方針だ。

c) SAP、製造ソリューション事業の基盤構築
ERP事業のうち「SAP Cloud ERP」や製造ソリューション(mcframe、Streamline、Asprova※)については、それぞれ売上20億円を目指せる事業基盤の構築を目指すべく、開発リソースの強化と子会社(ベトナム子会社及びシステム開発研究所)との連携を推進する。SAP及び製造ソリューションの開発リソースは単体で20数名となっており、今後も育成に注力する方針だ。

※ 生産計画を自動で立案するソフトウェアで、アスプローバ(株)が開発元。

d) 新規事業開発
年間売上高の3~4%を新規事業開発に投資し、独自のステージゲート制※1による新規事業開発を推進していく。また、出資や合弁による他社との連携や、出向起業「認定・助成金」制度※2の活用も選択肢に入れ投資を行う。

※1 社内コンテストで選ばれた新規事業について、企画からサービスの開始まで複数のフェーズごとに次ステージに移行するための条件を設定しており、条件を達成できなければ収束させる。
※2 「出向起業」とは、大企業等の人材が所属企業を辞職せずに、外部資金調達や個人資産の投下等により自らスタートアップを起業し、出向等を通じて当該スタートアップで新規事業を開発することを指す。(一社)社会実装推進センターが公募を行い、認定された企業に対して助成金が拠出される。従来は経済産業省で出向起業補助金制度を実施していたが、2025年3月に終了し、当該制度の事務局を務めていた社会実装推進センターにて継続することになった。

e) M&A/合弁出資
同社の事業に機能補完的なシナジーが見込める企業との提携を積極的に推進する。規模拡大のためだけではなく、知識とスキルの補強や質の向上と成長スピードの加速化を目的としたM&Aについても引き続き検討していく方針だ。

f) 人材育成
「問題発見・予測・創造性」を備えた人材の育成を中核に据え、教育制度の整備及び育成投資を継続的に実施する。



■資本政策と株主還元方針

ROICをKPIとして導入し、株主還元方針も今後見直す方針

同社は企業価値の向上に向けて、今後はROIC(投下資本収益率)をKPIとし、投資効率を重視した経営を行う方針を明らかにした。ROICを引き上げるためには、売上高営業利益率、投下資本効率を2軸としてそれぞれ引き上げていくことが必要になる。売上高営業利益率の向上に関しては既述のとおり、AI活用や戦力化社員の貢献による生産性向上や、収益改善意識の醸成により実現していく。投下資本効率の向上については、ヒト・組織・事業への成長投資や株主還元方針の見直しによって引き上げていく方針だ。具体的な数値目標は現在検討中で、2026年2月期決算と合わせて発表するものと思われる。

株主還元については、安定的かつ継続的な株主還元によるTSR(株価上昇+配当金)の向上を目指しており、現在は配当性向30%以上(単体)を目標水準としている※。今後は連結ベースの配当性向を基準に取り入れ、その水準についても見直すことを検討している。また、資本政策に基づく効果的な自己株取得についても検討していく考えだ。なお、2026年2月期の1株当たり配当金は前期比1.0円減配となる9.0円(配当性向38.5%)を予定している。

※ 2024年2月期及び2025年2月期の配当性向が10%台と低いのは、E-Commerce事業の売却に伴う一過性の特別利益を計上したため。

そのほか、株式を中長期的に保有する安定株主づくりを目的として導入している株主優待制度は、今後も継続する方針だ。優待制度の内容は、毎年2月末及び8月末の株主名簿に同一株主番号で記載があり、200株以上を保有する株主を対象に、減農薬・減化学肥料で栽培された新潟産の新米コシヒカリを贈呈するというものである。200株以上1,000株未満で1kg、1,000株以上4,000株未満で2kg、4,000株以上16,000株未満で5kg、16,000株以上で10kgを毎年秋の収穫後に発送している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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