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ギックス Research Memo(1):DI変革Div.の取り組みで増収なるも、コスト超過プロジェクトにより減益

*13:01JST ギックス Research Memo(1):DI変革Div.の取り組みで増収なるも、コスト超過プロジェクトにより減益
■要約

1. 会社概要
ギックス<9219>は、「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパス(目的)として掲げるデータインフォームド推進企業である。データインフォームドとは、人間の判断にデータを加えることで判断業務をアップグレードする考え方を指す。戦略コンサルティングと高度なアナリティクス能力を組み合わせた新しいタイプのプロフェッショナルサービス集団として、クライアント企業の経営課題解決、競争力強化のために判断業務の変革を支援している。

2. 2025年6月期の業績動向
2025年6月期の連結業績は、売上高が2,398百万円(前期比13.3%増)、営業利益が99百万円の損失(前期は133百万円の利益)、経常利益が101百万円の損失(同132百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益が99百万円の損失(同88百万円の利益)である。2025年4月30日に公表された業績予想と比較すると、売上高・営業利益ともに上振れ着地となった。売上高では、既存の重点顧客との連携強化及びDI変革Div.(Division)の取り組みによる新規顧客の獲得が一定の成果を収め、成長に寄与した。とりわけ、組織的な営業体制の拡充とマーケティング機能の強化が功を奏している。しかしながら、大規模開発案件におけるコスト超過プロジェクトの発生により、リソースの大部分がそちらに集中し、他プロジェクトへのリソース配分が制限された結果、売上成長にブレーキがかかった。また、営業利益では、コスト超過プロジェクトの直接的・間接的な影響により減益となった。

実績面では、ANAグループブランド「AirJapan」との取り組みや、JAL公式アプリ「JALマイレージバンクアプリ」でのMygru(マイグル)の導入など大手企業との案件が進展した他、Mrs. GREEN APPLEデジタルスタンプラリーでのMygruの採用といった、エンタメ領域での展開もあり、今後も積極的に推進する方針である。また、新たな中期方針を打ち出しており、これまでの成果の整理と今後の成長戦略、さらに2028年6月期には売上高80億円、コア営業利益9.3億円+αというターゲットを明確にしている。2025年6月期の業績には短期的な揺らぎが見られるものの、既存顧客との関係強化及び新規顧客の開拓は引き続き順調に進捗している。加えて、中期的な視点での成長戦略を明確に打ち出しており、中長期的な成長に対する蓋然性は高いものと弊社では見ている。

3. 2026年6月期の業績予想
2026年6月期の連結業績予想は、売上高を3,500〜4,000百万円(前期比45.9〜66.8%増)、同社の事業活動により生み出される利益である「コア営業利益」を240百万円としている。また、営業利益は130〜150百万円(前期は99百万円の損失)、経常利益は110〜130百万円(同101百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は10〜30百万円(同99百万円の損失)としている。上場期を基準としたCAGR(年平均成長率)40%という高水準の成長目標を維持している点は、同社が依然として積極的な拡大路線を志向していることを示している。一方で、この売上高目標にはM&Aによるインオーガニック成長の効果も織り込まれており、取り組みの進捗や成立時期は同社が完全にコントロールできるものではない。そのため、単一数値ではなくレンジ方式で示している点は、不確実性を織り込んだ開示姿勢として評価できる。重点施策としては、クライアント育成、特にA区分(同社はクライアントの取引高に応じて、1億円以上をA区分、10百万円以上1億円未満をB区分、10百万円未満をC区分に分類している)顧客の拡大が挙げられる。加えて、新規顧客開拓を進め、よりバランスの取れた顧客構成を構築していく方針である。M&Aについては、2025年6月期もIM(情報取得)が86件(前期比32件増)、TOP面談が13件(同10件増)と活発な取り組み状況だったが、足元でも複数の案件が進行中のようであり、M&Aによるインオーガニック成長も大きく期待できる。また、2025年6月期に営業赤字となった要因を踏まえ、人的リソースや外注費を含むコスト管理を強化している。これらの取り組みに対する成果の表れとして、すでに2025年6月期第4四半期単体では黒字転換しており、2026年6月期通期ベースでの黒字確保も大いに期待できると弊社では見ている。

■Key Points
・戦略コンサルティングと高度なアナリティクス能力を融合したデータインフォームド推進企業
・2025年6月期は、DI変革Div.の取り組みが奏功し増収となるも、コスト超過プロジェクトの発生により減益
・2026年6月期は、CAGR40%の売上高拡大目標を継続し営業利益も黒字化見込み。M&Aを通じたインオーガニックな成長にも期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)



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