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恵和 Research Memo(9):市場を予測しリソース集中で先行者となり早期確実な収益化を目指す

*11:09JST 恵和 Research Memo(9):市場を予測しリソース集中で先行者となり早期確実な収益化を目指す
■市場環境

1. 光学製品事業
車載ディスプレイ領域にリソースを集中して研究開発と生産体制を強化し、高品質な製品を安定して提供する。恵和<4251>によれば、車載用液晶ディスプレイの市場動向は、2024年の1.9億unitから2028年には2.2億unitとCAGR4.0%の成長が見込まれている。特に、ディスプレイの大型化・多様化が顕著で、たとえば中国市場では高級車から大衆車までダッシュボードにメーターパネル、ナビシステム等を設置するほか、助手席側からのナビ操作を可能とするパネル装着等、利便性向上に向けた機能の拡充が進んでいる。SDV※1の進化に伴い車載インフォテインメント※2の加速が予想され、安全性を担保しつつシステム操作を明瞭に視覚化するディスプレイ技術への需要は高まるだろう。大型化に関しては、市場動向予測では、8インチ以上の大型ディスプレイの全体に占める割合が2024年の58.6%から2028年には63.5%に増加すると予測している。また、同社の「オパスキ」が活躍する直下型ミニLED液晶は、近年ディスプレイに積極採用される等、戦略的資源として重要な役割を示しており、液晶ディスプレイ全体に占める割合は2024年の2.4%から2028年には5.3%に拡大する予想である。特に自動車業界では直下型ミニLED液晶の採用が顕著で、車載ディスプレイ全体のうち、2024年の約1%強の割合から2028年にはおよそ14%近くまで普及が進むと予測されている。

※1 ソフトウェアを更新し、運転支援機能や娯楽性など様々な機能を随時アップデートしてサービスを提供する自動車を指す。
※2 自動車のドライバーや同乗者が必要とする情報や娯楽を提供することで、運転をサポートし快適性を向上させる機能を指す。

マーケティング戦略として、自動車業界のSC(サプライチェーン)の下流に位置するOEM(自動車メーカー)・Tier1(1次サプライヤー)との良好な関係構築が、迅速な情報収集による技術開発や効果的な販売促進につながると考え、歴史も実力もあるOEMが多数存在する欧州地域でのマーケティング体制構築を計画している。最終的なねらいは、同社販売先のSC中間に位置するディスプレイや計器類を製造する企業へ、発言力の強いSC下流のOEM・Tier1が直接的に同社製品の採用を推奨することである。ディスプレイ関連で、OEM・Tier1の競争力を引き出す有益な製品の提案により高評価を得ることが重要と捉え、欧米地域での経験を持つ経営層を迎え体制を強化する考えである。なお、現時点での海外拠点は、中国、台湾、韓国、米サンノゼとなる。

ロジスティクスに関しては、東南アジアに物流拠点を設置する計画である。物流の観点では顧客企業のいくつかはベトナムに拠点を構えており、地政学リスクの観点では米通商政策の影響等を考え中国拠点のみの対応には不安が残るため、Tier1のCHINA+1として、ベトナムが候補地として挙がっているようだ。

2. 機能製品事業
経営ビジョン「CSV実現」のけん引役を担う同事業では、xEV(クリーンエネルギー車)世界市場が拡大している。2025年の3,367万台から2028年には5,578万台とCAGR10.6%の伸びが予想されており、同社は車載電池用フィルム「ACE」でシェア拡大を図る。医療用工程フィルム「メディテクト」を展開するダイアライザー世界市場は、2024年の126.5億USDから2030年には176.2億USDとCAGR5.7%の伸び率となる。この2市場には同社優位性となるクリーン環境での製造を武器に販売を推進する。長年の実績を持ち国内市場では独占状態のウレタンフォーム用工程紙について、同社がほぼ未開拓のウレタンフォーム世界市場は2025年の676万tから2030年には743万tとCAGR1.9%の伸長が予測されている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)



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