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ポンド円強含みの背景【フィスコ・コラム】

*09:00JST ポンド円強含みの背景【フィスコ・コラム】
英スターマー政権の予算案がある程度評価され、ポンド安は一服。ただ、財政政策への不信感は根強い状況です。一方、高市政権の政策運営に対する市場の目も厳しく、円売り地合いは継続。ポンド・円の足元の値動きは、両国の政治情勢を反映していると言えます。


11月26日に発表された英国の予算案では、これまでより現実的な成長率を前提に、複数の増税メニューを組み合わせて財政再建を進める方針が改めて確認されました。財政上のバッファーも積み増され、財政健全化に向けた姿勢が市場に示されたことは、市場心理の過度な悪化を抑える材料となりました。これまで英国の問題とされてきたのは「支出の方向」ではなく、「負担の所在」が明示されていない点でした。


とはいえ、負担を伴う改革を避けたい政治的配慮は依然として強く、完全に信頼が回復したわけではありません。スターマー政権の支持率が低迷するなか、地方選挙や総選挙が近づけば、予定されている再建策が骨抜きにされるとの見方も消えていません。政治が負担増を回避しようとすれば金融株など特定分野にしわ寄せが来るとの懸念から、英国市場は依然として報道やリーク情報に敏感に反応しています。


この構図は日本にも重なります。日本では円安が景気押し上げ効果を持つため株価が下支えされる局面もありますが、財政不信による円売りと国債売りが同時に強まれば、株式まで巻き込まれるトリプル安のリスクは不可避。高市政権は所得支援や企業改革支援、成長投資などを積極的に打ち出していますが、英国と同様に財源の説明より政策規模の議論が優先され、財政と金融の役割分担が曖昧なままです。


加えて、市場は日銀の政策方針を注視。次回12月18-19日の金融政策決定会合での利上げに思惑が広がり始め、やや円買い圧力が感じられます。ただ、日銀は高市政権運営に配慮し利上げに踏み切れないとの見方も残り、円買いは限定的。財政と金融の境界線がはっきりしない状況では、リスクが円に集中します。株価が短期的に反発しても、海外勢の循環的な売買の影響が強く、信頼回復とは言い難い面があります。


こうした日英政治情勢がポンド・円相場に表れています。英国の財政不安はなお根強いものの、それ以上に日本の政策運営への警戒が強いため、ポンド・円は騰勢を弱めていません。昨年7月の高値208円10銭を上抜ければ、2008年のリーマンショック直前以来の高値となります。

(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

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