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ダイキアクシス Research Memo(9):海外の水衛生インフラ整備を成長エンジンとし、中期経営計画を進行(1)

*11:09JST ダイキアクシス Research Memo(9):海外の水衛生インフラ整備を成長エンジンとし、中期経営計画を進行(1)
■ダイキアクシス<4245>の中期経営計画の方向性

1. 中期経営計画における背景と方向性
同社は中期経営計画(2025年12月期~2027年12月期)を策定するにあたって、世界の水衛生問題の深刻化に着眼し、「日本の試行錯誤で培われた公衆衛生技術を、世界の国々に技術移転し、安全で安心な世界の実現に寄与する」ことが社会的使命、存在意義であることを再認識したうえで、「海外における水衛生インフラの整備」を今後の成長エンジンと位置付けた。さらに世界の水ビジネスは、上水、下水、産業排水、海水淡水化などを含めると、2030年には100兆円を超える市場が見込まれており、国内の浄化槽メーカーから、「グローバルな水ビジネスプレイヤー」を目指す考えだ。

また、経営モデルについては、これまで各事業が独立した形でポートフォリオ型モデルを形成してきたが、今後はそれぞれの事業が連携し、グローバルベースでシナジーを追求していく方向性を掲げた。具体的には、日本の公衆衛生をグローバルに展開した後は、日本の快適をグローバルに展開(「住宅機器関連事業」のグローバル展開)する計画だ。さらに「再生可能エネルギー関連事業」(バイオディーゼル燃料等)やパイプラインにある新規事業についても検討する。将来的にはグローバル戦略における日本市場という位置付けとなり、日本市場はR&D的な役割を担っていくとの見方もできる。

2. 各事業戦略の概要
(1) 環境機器関連事業(日本市場)
メンテナンス(保守・修繕)の積み上げに注力し、ストックビジネスを強化する戦略である。保守契約数は新設工事に付随して着々と増加(年平均150件増)しており、それをストックビジネス化することにより、1)売上の平準化(先まで売上が読める)、2)利益への貢献(利益率が高い)、3)営業効率の向上(顧客資産が次の受注につながる)といったメリットを享受していく考えだ。今後3年間におけるメンテナンス事業の平均成長率を14%と見込んでいる。メンテナンス業務の標準化により生産性を高め、利益率の向上にも取り組む。

(2) 環境機器関連事業(グローバル)
これまで試行錯誤により取り組んできた「インドモデル」を成熟化させ、それを強みにグローバル展開を加速させる戦略である。注力するインドにおいては一定の成果※を収めており、3年後には黒字化(180百万円の利益計上)も見込んでいる。インドネシアをはじめ、スリランカやバングラデシュでも既に同様のアプローチに取り組んでおり、さらにはインドで育成した人財による、中東やアフリカへの展開も視野に入れている。

※ インド政府と進めてきた認証制度も2024年末に整備され、同社が第1号となる予定。

(3) 住宅機器関連事業
国内の建設市場の成長鈍化を踏まえ、成長事業から利益重視の中核事業へと移行する方針である。利益増強に向けては、1)コストコントロール力の強化と、2)トップラインの強化(ソリューション型事業への転換)に取り組む。1)については、これまでも卸売に加え、工事案件の受注に注力してきたが、今後は、設計などの上流プロセスをカバーしていく戦略であり、バリューチェーンのスパンを広げることで、コストコントロールをしやすくする。2)については、現在進めている空調工事におけるビジネスモデル変革※のように、「モノを売る」から「課題解決」へと転換することにより、付加価値を高める戦略だ。また、将来的には、「環境機器関連事業」で築いたネットワークの活用により、グローバル展開も視野に入れており、水衛生インフラ整備による「公衆衛生(安全安心)」が満たされた後の暮らしの「快適性」へのニーズの変化を取り込んでいく。

※ 設計機能を自社で保有することにより、従来の「冷やす/暖める(空調機能)」という機能価値から、「来店者数向上(課題解決)」などのビジネス価値の提供へと変革を進めている。

(4) 再生可能エネルギー関連事業
太陽光発電施設の拡大が一巡するなかで、今後は市場成長率の高いグリーンデータセンターとバイオディーゼル燃料を重点分野として取り組む戦略である。グリーンデータセンターについては、既に候補案件が複数リストアップされており、それらを厳選のうえ、投下資本に対する収益性の高い案件に絞り込む考えである。一方、バイオディーゼル燃料については、これまでの四国エリアでの実証を生かし、茨城県での新プラントを稼働させ、市場の大きな首都圏での本格展開を進める。既に、東武鉄道グループのバス車両や「セブン-イレブン」の店舗配送トラック向けに燃料供給を開始しているが、サーキュラーエコノミー※への機運の高まりを追い風として、3年後までにフル稼働を目指している。

※ サーキュラーエコノミー(循環経済)とは、資源の消費量を抑え、廃棄物を減らすことを目的とした経済システム。

3. 数値目標
3つの主力事業がそれぞれ伸長する計画としている。特に「環境機器関連事業」における海外事業の拡大とストックビジネス(メンテナンス)の積み上げが業績の伸びをけん引する。最終年度となる2027年12月期の目標として、売上高53,000百万円、営業利益1,450百万円、経常利益1,550百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,100百万円を掲げており、達成すれば過去最高業績を更新することとなる。また、自己本比率は31.0%、ROEは9.7%を想定しており、財務規律を維持しながら、投資効率を意識した利益成長(売上高の拡大と利益率の改善)により資本収益性(ROE)を大きく向上させる前提である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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